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昔は狙いすぎてないですよね
知らない強さもあったんだなっていう
──ご自身の曲を聴き直すことってあります?

「…ありますよ。ありますけど、『さぁ聴き直すぞ!』って感じよりは、曲を作っているときに『あれ?あの曲と似てきてないかな?』って思ったときに確認したりとか。あとは実際にゲームの方で出現したりして自分の曲のことが話題になった時に『あれ、どんな曲だったっけ?』って感じで聴き直したりとか(笑)いいって言ってくれる人がいた時に聴き直してみると『あ、いい曲じゃん』って思ったり(笑)作った当時はそう思ってなくてもね、褒めてもらえたあとに聴くと、謎の自信ついちゃって途端にいい曲のように感じたりする」


──曲を作っているときも聴き直すんですよね

「完成するまでの間は聴きますねー。死ぬほど聴きますね」


──聴かない人もいますよね

「そうそうそう、聴かずに作ってた方もいましたね(笑)」


──プレイバック3回までって(笑)

「すごいですよね(笑)戻ったら負けって」


──ははは(笑)

「そういうすごい方もいますけど、僕にはムリですね~。こうして比べてみると…昔は何だろうな、狙いすぎてないですよね。その時やれるものを、やりたいものをやったって感じがありますね。今は今で、いろいろ考えながらやっているっていうのも、それはそれでいいと思うんですけども。なんだろうな、怖いもの知らずというかBEMANIに最適化された楽曲の方向性とかユーザーさんの傾向とか…今思えばそういうことを知らない強さもあったんだなっていう気はしますね」




──なるほど。ところでwacさんといえば、お面がトレードマークですけど、以前はきぐるみでしたよね

「詳しくは先日放送したBEMANI MUSIC WEEKをお聴きください(笑)」


──しかし何でまたお面を?

「顔出さない方がいいなと思い始めて。顔出しするとね、イベントの度にダイエットしなきゃとかって思い始めるんですよ!」


──(一同爆笑)

「あれがそろそろちょっとキツいなと思って」


──たしかに毎年KACのときに言ってらっしゃいますよね。でも一緒ですよ、顔は隠してても体型は見えてます!(笑)

「顔はやっぱ印象に残るんで。wac丸い顔だな~太ったな~とか思われたくない。最近は動画配信とかもあるし記録に残ると嫌だな、と。やっぱり、BEMANIには多少のファンタジーがあったほうがいいかなって思うんですよ。あとね、メガネが増えすぎた」


──キャラが?

「ショッチョーさんとか、TOMOSUKEさんとか、PONとかCodyとか。Ryu☆くんもメガネだし。多くなってきたから、被らないように」


──いつからお面を着け始めたんでしたっけ?

「4回目のポップンライブ以来ずっときぐるみだったんですけど、AOU2011のpop'n music事業仕分けできぐるみが仕分け対象になっちゃったから着られなくなっちゃって…。あの時に自作のお面を初出ししました。AOUの1週間前くらいからずっと裁縫してて。前日の幕張のホテルでも夜にせっせと作ってたんですよ。ヒゲがとれた!とか言って」


──リハが終わった夜に(笑)

「みんなで飲んだ後にね(笑)肥塚さんが面白かったな~(笑)」




ヒットチューンが必要だなって思ったので、それは俺にやらせてくれって
──ではwacさんの「今」がわかったところで、今度はそんなwacさんがどのように形成されたのかを探ってみましょう。小学校時代ではピアノを習っていて、作曲をしたとか

「そうなんです。親がピアノの先生で、姉がやっていて、お前もついでにやっとけみたいな流れで。でも、やっぱり子供だったのでクラシック弾いてても楽しくないじゃないですか。野球やサッカーをやっている方が楽しいんで。でも曲を作るのは楽しかったです。わけのわからない、曲として成立してないようなものだったけど楽しかったですね。それがきっかけかなという感じはありますよね」


──小学生で作曲ってすごいですね!

「作曲って言っても誰だって作れるんですよ。完成度を抜きにすれば。鼻歌歌っても作曲だし、ピアノを適当に弾いたって曲は曲なんで。たしかその最初の曲は、メロディーを黒鍵盤だけ、伴奏を白鍵盤だけで作るっていう謎に崇高なテーマだったから…不協和音極まりない(笑)今はもう忘れてますけど、めちゃくちゃな曲だったと思いますよ。なにしろバッカな男子小学生だったんで、タイトルもたしか"忍者 vs. 怪獣"とかそんなん(笑)」


──(一同爆笑)いや…今もたいして変わってないですよ(笑)

「わはは(爆笑) 否定したいけど、正直、やってること変わってない(笑)」


──作りましょう、次。"忍者 vs. 怪獣 2014"(笑)

「ははは(笑) そんな感じでね、最初はピアノからですね。そのうち親にゲーム機をねだったら、ゲーム機はダメだけどパソコンならいいってことで、MSXてホビーパソコン買ってもらえたので、PSG音源でGRADIUSの曲とか鳴らして遊んでました。中学校入るとちょうどバンドブームだったんで、みんなバンドやろうぜ!ってやり始めました。最初はコピーバンドでしたよね」


──何をコピーしてました?

「一番最初は当時の王道でBOOWYです。最初はメンバーに入ってなかったんですよ。バンドって最初はクラスでもワル系の子たちが始めることって多いじゃないですか。特にBOOWYのバンドとか。今ギターやるとすごいぜモテるぜ的な感じのモテたい男子がやってたんで。でも僕はグループ的には真面目系だったし、入る予定もなかったんですけど。とにかくそういう子たちってギターはやりたがるけど鍵盤やりたがらないじゃないですか。女々しいから」


──単純にスキルも難しいですからね。ギターは全員スタート一緒っぽい感じがしますけど

「そうそう、全く経験ないとなかなかね。だから、『あいつピアノやってたらしいぞ』っていうことで来るわけですよ。最初は鍵盤担当にまわされた子からピアノを教えてくれって言われて。で、教えたんだけどなかなか上手くならないしライブの日は近付くし面倒くさいなってなって。『じゃあステージ一緒に立とうか』、『2人で弾こうか』って話になって、結局本番は俺1人しか弾いてない(笑)」


──その子は盛り上げ役?

「たしか隣で所在なさそうにしてた…(笑)で、その時組んだバンドで『これからもやってこうよ』、『じゃあキーボード頼むわ』って話になって。それからUNICORNとかレピッシュとか、バンドブームのバンドたちのコピーをしつつ、中学終わりから高校くらいかな。そろそろオリジナルやりたくなったねって話になって。それからバンド用の曲を書き始めるようになったんです」


──それも、鍵盤の仕事?

「いや、みんなで持ち寄ったんだけど…まぁ…中学生の作る曲ですから(笑)記憶に焼き付いてるのだと、サラリーマンを題材にしたワークマンの歌とか。『あーあ疲れたワークマン♪今日も課長にペコペコ~♪』っていう曲でね」


──(笑)UNICORNもそういう感じですよね

「露骨に影響受けてる(笑)あと、『むーしーば、虫歯、むーしーば、虫歯♪どんどん歯が、痛くなる~♪』とか、持ってこられて…(笑)それはそれで俺は結構好きだったんですけど(笑)」


──それ、CHERRY BLOSSOMS(ASAKI & wac)とあんまり変わってないですね(笑)

「その魂が受け継がれてるのかもしれないですけど…あさきは否定しそう(笑)でも、”虫歯”や”ワークマン”をバンドとしてメインの曲に据える自信は当時の僕でも流石になくって。やっぱりバンドの顔になるシングル曲というかヒットチューンが必要だなと思ったので、それは俺にやらせてくれって。みんな、こないだまでバンドスコアみてコピーしてただけだから、アレンジ能力とかないし、コード進行のなんたるかもよくわかってない。なので大体は僕が鼻歌を聞きながらコードを付けて、曲を作ったんですけど、落差が酷かったですよ、一曲一曲の。それぞれみんな持ち寄るから方向性がシッチャカメッチャカで。ベースの子がその"虫歯"だったりする一方で、ドラムの子はシリアスな『墜ちていく空が真っ赤に染まりぃ~♪』とか今でいう中二チックな曲を作るし、ギターの子は『ここはー誰もいない無人島ー♪』ってほのぼのな曲もってきたり」


──よく覚えてますね(笑)

「結構長くやってたんですよ、"無人島"は。わりとメインのレパートリーで。僕がエスニックなアレンジを施したのでなかなかいい曲だったんですよ!シングルのカップリングだったので、実家探せばテープがどっかに残ってるかもしれない」


──そういったものを全部アレンジしていたんですね

「結局それができるのが自分しかいなかったんですね。もともとMSXで打ち込みとかはしてたので、最初はFM音源でデモとか作ってて、そのうちQY10とかMC50とかシーケンサー使うようになって。一回それなりのデモにしてからコード譜とかギターのTAB譜とかも用意して、こういうソロ弾いてくれって」




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