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ノスタルジア稼働記念特集
第三回 wac × 猫叉Masterスペシャル対談 2017.03.03
──ついに稼働を開始したノスタルジア。制作の鍵となったwac、猫叉Masterにお話を聞きました。


鍵盤との出会い
猫叉Master(以下、猫叉)「僕は小学校1年生くらいのときに突然親に習いたいと言ったんですよ。親に連れられて散歩していたらピアノの音が聴こえてきて、『なんだこの音は?』と思って自分から言い出しました」

wac「ピアノの音は存じてたんですか?」

猫叉「存じてなかったですね。『なんて美しい音色なんだ!』というところから始まり、ピアノ教室に通い始めました。そしてちょっと調子に乗ってきて、先生に勧められてアップライトピアノを購入したんですけど、そのくせ半年で辞めて」


(一同笑)


wac「買った後に辞めるって親に対して酷いですね(笑)」

猫叉「一番最悪なパターンですね(笑)」

wac「そのピアノはまだ残ってるんですか?」

猫叉「もう今はないんですよ。僕が実家出たくらいに、邪魔だったらしくて早々に売り払われてしまった(笑)」


(一同笑)


猫叉「それで、半年間習った以外は独学でした。せっかく買ってもらったアップライトピアノを触りながら、久石譲先生を耳コピし、そして植松伸夫先生を耳コピし」

wac「あ〜弾きますよね」

猫叉「当時CDとかカセットテープとか買うお金もなかったので、自分で弾いて、それを聴いて楽しんでました。再現して、『これが聴きたかったんだよ』と言いながら自分で悦に浸る(笑)」



wac「宮ア駿アニメがちょうど僕らの中学生くらいからでしたよね」

猫叉「思春期にどっぷりハマっていました」

wac「風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、となりのトトロとかその頃で。ピアノピースもありつつ、耳コピも弾くみたいなことを色々してました。やっぱり学校で弾くと人気者になりますよね」

猫叉「ははは(笑) たしかに」

wac「猫叉さんはそこらへんからだったんですね。クラシックもやってたんですよね」

猫叉「そうですね。でも、バイエル下巻で以上終了みたいな。集中してやって…下巻の途中だったかな?その次に行かなかったんですよね、飽きちゃって。『外で遊びたい!』ってなって、鬼ごっこがしたくてしょうがないみたいな」

wac「小学生くらいってピアノやってるよりは、サッカーとかやってる方が男としてあるべき道という固定観念がありますし」

猫叉「いや…そんなことは考えてないですよ(笑)」


(一同笑)


wac「まあでも、最初道端を歩いていたらフレーズが流れてきて、それがピアノであったと。何のフレーズだったか覚えてますか?」

猫叉「フレーズは覚えてないんですけど、どこでキャッチしたかは覚えてるんですよ。近所の、多分ピアノを練習してる家だと思うんですけど、自分で弾いてたかレコード流してたかはわかんないですが」

wac「日曜の朝になったら遠くの家から流れてくるみたいな、あの感じですよね」

猫叉「あの感じいいですよね。人の練習とか、ずっと聴いてたいですよね」

wac「うちはね、2階で寝てたら1階から聴こえてくるんですよ(笑) 恵まれてるんだかやかましいんだか。うちはピアノの先生をやってたんで」

猫叉「あ、そうなんだ?」

wac「生まれたときから部屋に鍵盤はあったんですよね。アップライトピアノとグランドピアノが置いてあって」

猫叉「2台持ち?」

wac「最初はアップライトピアノしかなかったんですけど、引っ越した時にグランドピアノも買いました。子供のときになんとなくクラシックを弾いてたんですが、自分でやりたいと言った覚えはなく、やらされてましたね。ピアノの先生だったから発表会とかもあって、そこで頭数が欲しかったんですよ。ちっちゃい男の子もやってますよってのが言いたくて、だからあんたとりあえずやっときなさいみたいな」


(一同笑)


猫叉「穴埋め的な(笑)」

wac「ただ、やらされてたけど、教えるのが親だからまともにやらないんですよ。『指の形はこうよ』って言われても『うるさーい!こうやりたいんだ』ってなってたから全然身につかなくて。ピアノやってたっていうと、学校で伴奏だったり色々なことをやらされそうになるんですけど、ちゃんとやってなかったんで期待に添った結果が残せなかったですね」

猫叉「まぁまぁ悲しい感じに話が仕上がってきましたね(笑)」


(一同笑)


wac「結局僕も中学くらいに入ると、習ってるクラシックを弾くというよりは聴きたい曲を弾くようになりました。それくらいでファミコンが出始めたのでその曲だったり、宮ア駿アニメの曲とか弾いたりする方が楽しいし、みんなが喜んでくれて。あとは打ち込みも始めて、作る方に段々シフトしていきましたね。中学生なので、文化祭でバンドやるぜみたいな話になって。BOOWYやるんだけどシンセが入ってるから誰かいない?って。この話は前のインタビューでも言ったけど、中学生のバンドってイケてるグループがやるもので、僕みたいな陰キャが入れるような感じではなくて。鍵盤できない子が担当になったので、教えてやってよって感じだったんだけど、結局弾けるようにならなかったから本番では僕が弾いたっていう」

猫叉「で、wacさん自身もファッションが段々、剃りこみが入ったり」

wac「そうそうそう、松井常松さんみたいになり」


(一同笑)


猫叉「ズボンが太くなり」

wac「原宿系になり、MILKBOYとか着始めたり(笑) それで段々ホコ天デビューまで至るわけですけど、それはまた別のお話で。そういう流れで、最初はクラシックピアノから段々バンドのキーボードに移行していくって感じでしたね」

猫叉「なるほどね」

wac「そして、高校のときは合唱をやってたので」

猫叉「合唱!?それでこんなお声が通るんですね」

wac「声は出ますね。声量は出ます。聞き取ってはもらえないですけど(笑)」

猫叉「CHERRY BLOSSOMS、すごいですよね」

wac「あれは合唱の発声ですね。腹式呼吸から出る声です」

猫叉「CHERRY VOICEか…」

wac「ははは(笑) 合唱を経てのCHERRY VOICEですね」

猫叉「合唱無くしてはなし得なかったCHERRY VOICE。そういうことだったんだ」

wac「でも合唱は、ピアノをガチでやってた上手い子とかがいたので、伴奏やってくれとかは特になくて。演奏会のときに、遊びじゃないんですけどポップスステージという、SAY YESとかffとかの合唱アレンジをするのがあったんですけど、そこでやってたくらいですね。なぞるというよりも作る方に移行してました」

猫叉「人と交流をしながら作る方向ですよね。僕もっともっと根暗でしたよ(笑)」

wac「一人で?」

猫叉「一人で。MSXというコンピューターを駆使して。Music Macro Languageという言語で」


wac「あーそうですね、MMLで。僕も通ってるんですよ。中学くらいのときにちょうどそれを使って」

猫叉「それしかなかったんですよね」

wac「まだMIDIとかがないか、あっても高価な存在で。MSXのPSG3声、FM-PACを使ってFM音源追加して、"海の見える街"を再現しようとか」

猫叉「やってましたね〜全く同じことしてました(笑)」

wac「MuSICAっていうMSX上で動作するソフトウェアを使ってやってましたね。クラスにもう一人そういうことができる子がいたので、2人でMSX2台を同時に再生してステレオ音声だってやったりとかして楽しんでましたね」

猫叉「羨ましい限りですね。そのときの僕をwacさんと引き合わせたかったです(笑)」

wac「そしたら3つでできましたね(笑)」

猫叉「なんなら大化けするくらいのテクノポップユニットができちゃったかも」

wac「YとMとOみたいなのができたことでしょうね」

猫叉「WとSと」

wac「N君ですね、WSN」

猫叉「WSN…なんでしょうね、あんまり気持ちいい感じしないですね(笑)」





ノスタルジアの世界観
wac「考えてみたら最初からノスタルジアというタイトルだったんですよね。珍しくないですか?大体タイトルって変わりますよね」

猫叉「そうですね」

wac「最初からノスタルジアってテーマ自体は動かず、そのまま来てるんですよね。変えようってなったこともありましたけど、結局ノスタルジアで通して。最初ビジュアルイメージをデザイナーさんからいただいたものがありました。何度か揺れはしたんですけど、まず猫叉さんが一曲作ったんですよね」

猫叉「コンセプトBGMってよくやるんですよ。こういう色付けをするよっていうのを明確にするために先に作っちゃう。そうすると、その色に他の色んなものが染まって行んですよ。なので、先に作るしかないと思ってパパっと作りましたね」

wac「結果的にはそれがあったからノスタルジアのまま変わらなかった。もうちょっと明るく派手にしようとか、もっと楽しげや賑やかな方にしようとか、コンセプトイメージの変更もありそうだったんですけど、『いやもう作っちゃったし』って感じで。僕らとしてはそういう系のって世の中にいっぱいあるし、この心の奥底にじわっと来るゲームはゲーセンには他にないから、うちがやらなかったら他もやらないだろうし変えたくなかった。だから猫叉さんの曲を言い訳に(笑) 『作っちゃったから変えないでこの方向でいきましょうよ』って言い張って行かせてもらったってところは多少はありますね」

猫叉「これだったらこのサウンド演出でしょっていう思いとか、やりたいことが瞬間的に出て来るビジュアルだったんで、先駆けてやるしかないと。やるしかないし、やりたいなという思いが強かったので、最初に作ったコンセプトBGMが功を奏して、そこからwacさんなりのカラーの様々な曲が生まれる。稼働版でwacさんが作ってくれた色んな演出用の曲って、はるかにコンセプトBGMを超えてて」

wac「いえいえ、超えてるかはわからないですが、その流れの道筋があったからできた感じはありますね。作りやすかったのもあるし。BE生でノスタルジアの話をするときはいつも猫叉さんのゲームのタイトル画面の曲が使われているんですよね。ただ…ゲームだと最後まで流れないんですけど」


(一同笑)


猫叉「タイトル画面の秒数的に(笑)」

wac「結構長編なんですよね。タイトルBGMの宿命ってありますよね(笑) 長いと最後まで聴いてもらえない」

猫叉「あの曲の役割は全体を色付ける最初の1曲って意味合いが強いんでね」

wac「あの曲は音色とかそういう部分もあるんですけど、時間のうねりがあるんですよね。ノスタルジアって早い段階から時計ってテーマがあって、時計は時計なんですけど、時間通り進む時計ではなく、時には時間の流れが変わるような。人間の感覚は、ゆっくり進んだりなど時間通りに感じないと思うんですけど、そういったところまで含めての時間。不可逆ではない時間の考え方が最初からあって。なぜならノスタルジーって自分の過去と向き合うことなので一方通行ではない。猫叉さんの曲に関して言うと、カッカッカッカッという進み方ではない。ときにはちょっとゆっくりとした動きになり、また戻りみたいなのが出てるんですよね。そういう意味でも、あの曲がノスタルジアというゲームの根幹的なテーマと一致したのかなと思ってますね」

猫叉「そこまで考えてませんでした…」


(一同笑)


wac「あるある(笑) なんだかんだ時計がテーマですね。BGMがこれでもかってくらいカッチカッチカッチカッチ言い続けてて。音も結局時間がないと存在しないものじゃないですか。だから、そこにノスタルジアというテーマ、時間との向き合い方の鍵があるかな。そういうところまで考えてタイトルBGMやゲーム中のBGMを聴いて、雰囲気を感じてもらえればいいなと思います」

猫叉「コンセプトBGMを作る時に一番気をつけたのが、最終的にピアノの演奏感を楽しむゲームなので、ピアノの音が気持ちいい、ワントーンで昇天できる曲でした。その良さを最大限に聴かせるために自分が今一番いいと思うピアノの音をしっかり作った上で、コンセプトBGMを作る。ピアノの良さを知らない人でもパッと『これ綺麗だな、いい音だな』と思える形で提供するのが、一番作るときに気をつけたことなんですよね」

wac「ピアノの音ってたしかに色んな音があるんですけど、全部色々違って、個性としてこの世界観に合う音ってのがある程度決まってるんですよね。そういうところまで含めて作っていただいているということですね。ピアノってみんなが一番親しみがある楽器だと思うんですけど、それってピアノの音がただピアノの音だからじゃないんですよ。言い方が難しいですが、ピアノの音って色んな音に聴かせられるんです。エフェクターを使うとかって意味ではなくて、弾き方だけで時にはトランペットの音に聴こえたり、ヴァイオリンのように聴こえたり、そういった楽器の代わりができるのでピアノは特殊な楽器だと思っていて。今回ノスタルジアではピアノだけの曲ってのが多いんですけど、ピアノだけじゃなく、色んな楽器を示しているピアノってのも存在してると思ってます」

猫叉「コンセプトの根幹にも関わってくると」





ノスタルジアで感じるピアノの楽しさ
猫叉「個人的には、聴いたインスピレーションよりも、ノスタルジアでピアノを疑似体験してもらう。ストレスなく、気持ちよく遊んでもらうためにはどういう曲がいいんだろうということはすごく考えました。最初に"飽和世界"という曲を、去年のJAEPOで出展するために作ったんですが、手探りだったんですよ。その後2曲目の"Fly far bounce"はある程度ノスタルジアをやりこんだ状態で作ったんですが、細かい動作はさておき、リズミカルに演奏してるような感じでプレーするとパーフェクトが取れる、フルコンが取れる曲ってどういうのだろうという視点で2曲目を作ったんですよ」

wac「2曲ともコンセプトが違いますよね。1曲目はピアノという楽器が醸し出す響きというか、1音2音弾いてくことによって世界が生まれていくと。2曲目は演奏の楽しさ、ピアノって弾くと楽しいんだよっていうところを表現している。ピアノの楽しさって色々あるんですけど、テンポに乗っていく楽しさを表現されましたよね」

猫叉「そういう意味ではパーカッションの影響が大きいかもしれないですね。こんな感じで叩くみたいな」

wac「そうですね、ピアノも打楽器ですからね。リズムに合わせて弾く。打楽器的な遊び方ができるピアノを表現されているなと思いました。和音楽器としての楽しさを活かしているのが1曲目、打楽器としての楽しさ表現しているのが2曲目という印象です」

猫叉「wacさんはどうですか?」

wac「ピアノって楽器は色んな楽しみ方があって、色んな奏法とかもあるんですよ。ノスタルジア自体が何を目指していたかというと、弾くことによって音が出るというのが一番大きいかなと思ってます。物理的に押すと音が出るって音楽の根幹だと思っていて、そして場所によって音階もある。自分の頭の中で描いている音階が、弾くことで表現できるのが音階楽器の楽しさだと思うんですけど、それがどれだけ表現できるか。弾いたときにどれだけ気持ちよく音が鳴るか、音色もそうだし、自分が思った通りの音階が鳴る配置ですよね。ちゃんと音階通りに指を動かせる、それプラス音を伸ばすこと、グリッサンドとか、トリルとか、いかにもピアノっぽい奏法。ピアノのゲームである以上、リズムに合わせなくちゃいけないという部分はどうしても避けられなくて。本当はピアノって、テンポはある程度各人に委ねていいんですよ。ただ音楽ゲームってそこは上手くいかない。せめてトリルとか、楽譜上で正確に16分音符で細かくやってくださいよって指定されていない、このくらいでやってね、何回弾くかは任せますねというものを、弾く人が気持ちよく弾ければいいという新しいノーツを作った。そういった部分の自由度、鍵盤の位置がある程度おおらかなのも含めて、楽器の演奏ってそこまで堅苦しいものではなく、案外自由で、音外したっていいくらいの感じ。それが音楽の、鍵盤の楽しい弾き方なので、コンクールみたいな緻密な方向に音楽ゲームって向かっているんですけど、もっとおおらかに楽しく弾ければいいじゃんっていうところを目指したのがノスタルジアですね」

猫叉「いつもノスタルジアをプレーするときにやるんですが、形から入ると結構上手くいくんですよ。テレビでピアノを弾いてる人がやってるような形でやると、意外に合うんですよ」

wac「ロケテストでは椅子を用意させてもらったんですが、今までの音楽ゲームではあまり使わないから却ってやりづらいなと思う人もいたかもしれないです。でも椅子に座って、手を鍵盤に置いて、ピアノを弾くつもりで指1本ずつでやると案外上手く行くんですよね。さらに本当に弾いてるなって錯覚が生まれてくるんです。それが他の音楽ゲームとは違ったところ。シミュレーションってそういうことだと思うんですよね、本物と全く同じところまではやらない。自分を騙す、それをやってる気になるというのがノスタルジアの目指すところ。それができるプレーを提言するのもノスタルジアの楽しさかなと思っています」





二人の楽曲
wac「質問したいんですが、作るとき曲の中にストーリーを考えます?」

猫叉「考えるときと考えないときがあります」

wac「今回はどうでした?」

猫叉「今回はあまり考えてないですね。1曲目の"飽和世界"は考えていましたけど、2曲目の"Fly far bounce"は遊ぶ楽しさとその時にやりたかったこと。楽しく遊んでもらうためには、こういう曲がいいんじゃなかろうというアイデアが先行していたので、ストーリーはあまり考えてなかったですね」

wac「ノスタルジアには誰でも遊べる楽曲と、ノスタルジアのストーリーを表現している楽曲の2種類あるんですが、"飽和世界"はストーリーに組み込ませていただいて、"Fly far bounce"は始めに出してもらうという形にしました。"Fly far bounce"も最初はストーリーに組み込もうとしてたんですよね。ただ、あまりにも楽しすぎたので、これは隠したくないなと。誰でも遊べるところに置かなきゃダメだなと思って。なので、逆にストーリー考えてなくて良かったです(笑)」


(一同笑)


猫叉「気が合いますね(笑)」

wac「鍵盤楽器をメインにする曲って、他の曲と作り方が変わってくるんですか?」



猫叉「元々ピアノの曲が好きなので、作ろうと思えばいくらでも作れるんですよ。…と言うといっぱい依頼が来そうですけど(笑)ピアノで聴きたい曲が、多分まだ自分の中にいっぱいあるんでしょうね。だからまだ作ってないやつがいっぱいあって、それを出してるくらいのつもりで。だからあんまり考えてないというか。ピアノで遊んで楽しいとか聴いていいものとかって、こういう曲なんじゃないかな」

wac「なんだかんだピアノを使わないで曲を作るってのも難しいくらい」

猫叉「ギタリストでもない限りは(笑)」

wac「何かしら曲の一部には入ってくるとは思うんで。ただピアノが入ってる他の曲に比べても、ノスタルジアってピアノに対しての懐が広いというか。他のゲームだとこの曲書いたら多分怒られるんじゃないかみたいな曲でも出来る。そのまま持っていったら『もっとゲームのこと考えて下さい』みたいな曲でも、ノスタルジアでは遊べるのはデカいなと思っていて。"Fly far bounce"はノリがあって、他の音楽ゲームでも通用すると思うんですけど。だけど僕の"I"はノスタルジアじゃないとゲームにならないなというような曲。ゆっくり1音1音を噛み締めて、それで沁みてもらう。ノリ良く叩く以外の楽しさが音楽にはあるんだよってところが示せる。それがノスタルジアのオリジナル曲のいいところだなと」

猫叉「たしかに」

wac「わからないですけどね、やってみたらみんな楽しくないからリズムのある曲をやりたくなるかもしれないんで。そこはみなさんの評価を見つつな部分もあるんですけど。でも僕らが目指しているところとしては、やっぱり他の音楽ゲームと違うところとして、ゆっくりだろうが、リズムがなかろうが、沁みてもらえる曲を書くことができるゲームだと思ってます」

猫叉「ちなみに曲の制作秘話じゃないですけど、ピアノ音源をサンプリングしたんですよ。普通のピアノのレコーディングと同じセッティングをして、1鍵1鍵全部強い音から弱い音まで、最初は12バリエーションかな、1つずつ叩いていって。そしてエディットしてみて、ソフトサンプルに組み込んで、これなら申し分ないというところまでやりました。ただゲームにばっちり収録してしまうとものすごい容量を喰ってしまうから、ゲームで遊べるレベルにまでしっかり落とし込む作業をwacさんがやってくれたんですよね。レコーディングを僕がやって、エディットをwacさんがやってという、そこの苦労は、語っても語り尽くせないものがありますよね」

wac「ピアノの音って大事なので、どうしたらいいかなと考えていたんですよ。もちろん色んな手段はあるんですけど、やっぱり録りたいねと。そうしたら猫叉さんが、自分の家で録ってきますと言ってくれて」

猫叉「本当はもっともっと良くなるんですけど、それはおいおい頑張って良くしていきましょう」

wac「さっきも言いましたが、ピアノと言っても色んな音があるので、今回はオルガンとかもありますが、本当にピアノだけでも色々あって。なので、色んな音を入れられたらいいなとは思っています」





今後のノスタルジアの展望
wac「アーケードゲームの立ち上げに関わったことってほぼ初めてに近いんですよ。でも、今まで見てきたものと比べて、このゲームはこうしたい、こうありたいってのがはっきりしているんですね。この軸はブラさせたくないってのがあるが故に、それ以外のところは自由だと思ってるんです。他の音楽ゲームで人気が出そうな楽曲をいっぱい入れなきゃいけないのかなと悩むときもあったんですけど。でもそれが吹っ切れてからは、楽ですね(笑) ノスタルジアで必要なものがそれだけじゃないから。もちろんそういった曲もあっていいとは思うんですけど、それがメインじゃなくていいんだと思うようになってから楽になりました。それぞれが考えるノスタルジアの楽曲を持ってくれば、ちゃんとゲームとして良い物になると思っているんで。それにここまで作っているので、これに足りないものを補っていけばいいやとも思っていて。そういう意味では、ある意味スタートの軸がドーンと決まっているが故に、その周りをこれから色々楽しく考えていける。こう発展していけばいいなとか思っていますね」

猫叉「やりたいことと、やらなきゃいけないことは一回全部詰め込んだんですよね。時間と戦いながら。3月1日から稼働が始まって、その後多分時間が経てばあんなこともやりたいこんなこともやりたいってのが、wacさんの言っていたまわりの部分だったり、中枢の部分だったりをガラッと変えちゃったりとか。そういう正解が特にないタイトルだと思うんで。これからまた増え続けて行くだろうやりたいことを、我々制作側の気持ちとしてどんどん入れていくし、市場を見てやらなきゃいけないことも出てくると思うので、それも対応しつつ。面白くあり続けるノスタルジアを維持したいなと思っています」

wac「派手で全世界沸騰みたいなゲームじゃないんで(笑) でも好きでいてくれる人が絶対にいるゲーム。その人たちがどんどん広げていってくれると思っているんですよ。こんなゲーム他にないよと。これでしか味わえないものがあるんだよというのを、プレーした人が広げていってくれれば、自ずとノスタルジアの進んでいく道ってのをみんなが作っていってくれるかなと思っています」





最後に一言
猫叉「この願いは叶うかわからないですけど、ノスタルジアを担いで、全国でライブ(笑)」

wac「JAEPOでやったみたいな(笑)」

猫叉「ですね。あれ多分もっと膨らむんですよ。打楽器入れてベース入れてとか。いずれギタドラと繋いで…」


(一同笑)


wac「ギタドラとノスタルジアでライブやるみたいな(笑) そして横でDDRで踊る」




(一同笑)


猫叉「みたいなことができたらいいなと思っているんですが、夢の一つということで。そういうのも含めて楽しみにしていただければと思っています。ノスタルジアをどうぞよろしくお願いします」

wac「さきほどから話していることではあるんですが、ノスタルジアは心に訴えかけるゲームでありたいなと思っているので、一回プレーしていただいて、何かしら心に響くものがあった方は、是非盛り上げていっていただければと思っています。ピアノが好きって人じゃなくても、ピアノっていいなと思えるものになっていければいいなと思っていますので、今後ともよろしくお願いします」







──続いて、ノスタルジアに収録される楽曲をwacのコメントとともに一部ご紹介します







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