GITADORA Tri-Boost Re:EVOLVE 稼働記念特集
泉 陸奥彦 × 肥塚良彦 スペシャルインタビュー 2017.01.25
ブラスをメインにしてみました。ギターじゃなくていいかなと
──昨年になりますが、GITADORA Tri-Boost Re:EVOLVE稼働おめでとうございます泉 陸奥彦(以下、泉)、肥塚良彦(以下、肥塚)「ありがとうございます」
──今作では久しぶりに泉さんがシステムBGMを担当されましたね
泉「そうですね。いつ以来になるのか覚えてないな…」
──(みんなで資料を確認し、どうやら GuitarFreaksV6 & DrumManiaV6 だと思われる)
泉「もうそんな前になるんだね」
──久しぶりということで、こういうことをしてみようみたいな意識はありましたか?
泉「昔からいっぱい作ってきたのでバリエーションももっと違うやつにしたいと思っていて。今まではハードロックとか、ギターがメインの曲が多かったので、ブラスをメインにしてみました。ギターじゃなくていいかなと(笑)」
肥塚「なんとなくですけど、今回のRe:EVOLVEの色、ピンク色なのかな?とブラスのイメージがすごくマッチしてますね」
──初めて聴いたとき、すごく雰囲気にマッチしてると思いましたよ
泉「そうそうそう、ピンクがもう…合ってるよね(笑)」
(一同笑)
──デザインイメージを見てから制作されたのですか?
泉「制作に取りかかるときにはデザインはかなり固まっていたので、見ながら作っていきましたね」
──すんなり出来ましたか?
泉「うーん…」
肥塚「……実は僕が、今日中に作ってくださいって依頼したんです(笑)」
(一同笑)
肥塚「結構急いで作ってもらったので、時間的にはすんなり出来たと言えますね(笑)」
泉「(笑)」
肥塚「すみません…お願いするのを忘れていました」
──裏話ですね(笑) もともと泉さんにお願いする予定ではあったのですか?
肥塚「そうです。いや~、ちょっと忙しかったり…ちょっと泉さんと…距離が遠くて…話しづらい…」
泉「隣なのに(笑)」
──心の距離が…
肥塚「心の距離がね…違う違う(笑)で、話を戻すと、タイトルBGMはすごくキャッチーでいい曲に仕上がりました。さらに、実は僕バトルのBGMがすごくお気に入りで。前作では96ちゃんに担当してもらったんですが、いかにも気合いを溜めてこれから戦うぞという感じで、すごくバトル感があるいい曲だったんですよ。だけど今回の泉さんのは『お互い、いい戦いしような!』という雰囲気が伝わってきて。Good Battleな感じですよ」
泉「ありがとうございます。ブラスが入ったことによって、明るい感じになったよね」
肥塚「今作、初めてバトルでマッチングしたときに"テテーテテーテテー"と流れてすごくテンションが上がりました。それがすごく心地よくて。緊張というよりも、ワクワク感がすごく出てます」
──前作のシステムBGMは聴き直したりしました?
泉「96ちゃんのですよね。うん、聴きましたね」
──それとは違うことをしようなどは考えていました?
泉「96ちゃんの曲とは、ということは意識してなかったですね。それよりも、今までのギターメインの曲との違いですね。作り方は今までのように、絵を見ながら、たとえばバトルの場面でこういう曲が流れたらこういう気持ちになるかなということをイメージしつつ、そこにブラスを取り入れた曲にという感じで」
肥塚「本当は、『え~今日中~!?』と思いながら作ったんですよね(笑)」
(一同爆笑)
泉「実際は1日ではなかったけど、かなり短かったですね。それでも2日くらい…ほぼ1日か」
──曲を書くのは速い方ですか?
泉「そうだな~、速い方かもしれないですね。でもジャンルによるかな」
肥塚「うん、ジャンルによりますよね」
──苦手なジャンルはありますか?
泉「クラシック系とかかな」
肥塚「え!?そうなんですか」
──意外ですね。クラシックアレンジも多く発表されていますし
泉「苦手とは違うかもしれないですが、時間がかかるんですよね。まず音色がいっぱいあるので、選ぶのに時間がかかるし、なんやかんやでね。やっぱりハードロックが一番速いですね」
肥塚「じゃーハードロック今日書いてください」
(一同笑)
肥塚「締め切りは今日中です!」
泉「時間に見合ったクオリティでいいなら…」
(一同爆笑)
肥塚「冗談はさておき、他にもエントリー画面(e-AMUSEMENT PASSの暗証番号を入力したりする画面)の曲は、さきほどの2曲とはまた違うニュアンスでしたよね。シュールというか、無機質というか」
泉「プログレの曲ですね。あれはギターがいっぱい重なっているんですけど、1本ずつ拍子が違うんですよ」
肥塚「ポリリズムになるんですよね。逆にここは緊張感があるんですよ。Re:EVOLVEの味になってるんじゃないかなと思います」
──タイトルBGM、バトルBGMとはガラッと印象が違いますが、バリエーションを考えてのことでしたか?
泉「今までにない曲にしたかったとは思っていましたね」
肥塚「ああいうタイプのエントリーBGMはなかなかないですよね」
──よく遊んでいただいてる方だとエントリー画面はさくさく進むことができると思いますが、たまにはゆっくり聴いてみると新しい発見がありそうですね
肥塚「後ろで待っている方に迷惑にならない程度に、是非聴いてみてもらいたいですね」
──話は戻りますが、BGM制作の期間が短かったことは過去にもありましたか?
泉「…ありましたよ。昼頃に来て、今日中に作ってって(笑)」
肥塚「今回と一緒じゃないですか(笑)」
──ちなみに、どのタイトルかお聞きしても?
泉「ギタドラですね(笑)」
(一同爆笑)
肥塚「し、知らないよ!昔のことなんてもうわかんない!」
やったことないことをやろうというのは常にあります
──過去に担当したシステムBGMと比較して、制作の仕方を変えたりはしましたか?泉「基本的には一緒ですね。絵を見て、イメージを膨らませて。今作ではブラスを使用したように、やったことないことをやろうというのは常にあります。ただ、依頼されるのも『今までにない曲を作ってください』なんですけどね(笑) この前もそれだったじゃんって思いつつ(笑)」
──ポジティブに捉えれば、やりたいこととマッチはしてますね
泉「そうですね。やっぱりやったことないことをやってみたい。好奇心ですね。作ったことのないジャンルだったらまず勉強していく。でもそれがすごく面白いんですけどね」
──ずっと音楽を聴いているイメージがあります
泉「そうだね。音楽が趣味ですから」
──最近よく聴いているジャンルなどはありますか?
泉「最近はそうだな~、70年代とかの昔の曲をよく聴いているかもしれない。60年代後期からレッド・ツェッペリンなどハードロックが流行って、70年代半ばくらいまでがロックの全盛期だったと思っているんですが、僕はその頃の音楽の影響をすごく受けているんですよ。で、最近またそこらへんを聴いていますね」
──原点に帰った感じですね。新しい発見などはやっぱりありますか?
泉「あるある。あ~ここはこうやってるんだとか。昔はそこまで知識がなかったからわからなかったんだけど、改めて聴くとわかりますね。これを読んでるみなさんも是非、昔好きだった曲を改めて聴いてもらいたいです。新しい発見があると思いますよ」
肥塚「昔の曲といえば、学生の頃の自分の曲を最近聴くことがあったんですけど、今の自分にないものを持ってたりするんですよ。時間をかけてたというのもあるかもしれないけど、変に凝ったことをしてた。でもこういうのって使えるよなって思ったりする。恥ずかしいですけどね(笑) でも100個のうち1個でも発見があったらラッキー」
泉「昔やってた自分の曲って、最初はあまり聴きたくないよね(笑) めっちゃ下手くそなんだろうなって(笑)」
肥塚「そうそう(笑) でも嫌々ながら興味はあるんですよね、片耳だけ傾けて聴くみたいな(笑)」
泉「体を斜めにして聴くみたいな(笑) でも実際聴くと『あれ?わりとちゃんと弾いてるな』って思う」
──ギタドラ初期の曲も恥ずかしく感じることはありますか?
肥塚「それはないかな~。懐かしさはありますけどね」
泉「うん、僕もないかな。こういう立場になって作った曲に関してはないですね」
──色々なインタビューを読んでいると、そう思っている人は結構いるみたいですよね。理由は様々だと思いますが、再録CDなども多くありますし
肥塚「あ~たしかにそうですね。もしかしたら3年後くらいにYAMATO組聴いたら恥ずかしいと思うかもしれないね(笑)」
泉「細かいことを言えば、あのフレーズはこうしてみたいと思うことはやっぱりあったりしますけどね」
──BRF'16(EDP presents BEMANI ROCK FES '16)で懐かしい曲も演奏されたと思いますが、再録してみたいなと思うこともなかったですか?
泉「ん~あんまりないな~。作品としてここ直したいというのはあるんだけど、今やったとして、当時より果たしてもっといいものができるかってのがわからないよね。それに、新しく録り直した作品がオリジナルより良くなった例というのは実はあんまりないように思うんですよ」
──その当時の空気感だったり、良さがありますしね