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制作秘話を語る!村井聖夜的音楽ノ作リ方vol.1
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ごあいさつ

pop'n musicも誕生から13年を数えてついに20作目です!
今は直接的なサウンドディレクションからは離れていますが、日々楽曲制作をしつつ、PON&wac両氏がイッパイイッパイでツラそうな顔をしてる時に、チョイチョイと雑務を手伝わせてもらっているカンジの村井聖夜です。

今回は久しぶりにブログ連動企画をするということでお声がかかり、こうして書いているわけですが…テーマが「楽曲制作のすべて」って…、あらたまって書くにはムズカシイ話だなぁ〜。

まだこれからどういう感じでこのコーナーをやっていけばいいのか掴みきれていないんですが、音楽教本みたいに堅苦しくしたところであまり面白くないと思うので、取り留めのない感じで、呟くように書き始めてみようかなと思います。では、ヨロシクです!

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メロディは空から降ってくる!?

すでに作曲やってる人なら一度は経験があるかもしれない「メロディが降って来た!」という瞬間。
まるでカミサマからの啓示か何かのように、何の前触れもなく口をついてメロディや歌詞、アレンジが一気に脳内に響き渡るような時があります。

風呂に入ってる時だったり、夜更かしをして眠気と対決してる時だったり、ただボンヤリしてる時だったり。
たいていは、どこかで無意識に聴いていた音楽がたまたまフラッシュバックしてただけ、なんてこともあるのですが、一応思いついたメロディは、すかさず携帯レコーダーに鼻歌で録音したり楽譜に起こしたりして、しっかり記録しておけば、後から名曲に化けるかもしれません。

私たちのように、日々仕事として音楽制作を行い、〆切までに何曲作らなければならないなんて時には、全部が全部、空から降ってくるのを待っているわけにはいかないので、具体的にイメージされた完成曲に近いものを参考にしながら、自分なりに組み立てていく場合がほとんどですけれども、例えばポップン1作中で2〜3曲提供することになったら、以前降って来て書き留めておいた曲をひとつくらいは滑り込ませておきたいなと思います。

曲によっては数年前に浮かんで大切に取っておいたものを蔵出しする場合もあるし、〆切直前で切羽詰って徹夜している夜中に、ドカッと降って来て「助かったぁ〜」という事もあります。

そんないつ空から降ってくるかわからないメロディを確実に捕まえられるよう、普段から携帯レコーダーをカバンの中に忍ばせておいて、思いついたら鼻歌で録音します。あるいは持って無い時には携帯電話の音声メモを使ったり。これなら、電話しているフリをしながら、人混みの中でもメロディを記録できます。
そしてなるべく最初のインスピレーションが薄れないうちに、パソコンを使ってだいたいのアレンジも作って保存しておけば、いざ曲が必要な時にすぐそれらを聴き直して、一番イメージに近いものを使えばいいのでとても助かります。

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作曲と編曲を分ける

前回PON君が書いていた、「王道の作曲法」というのを、普段私はやっているのだろうと思います。
最初から具体的なジャンルやイメージを指定されて作る場合は除きますが、特にそうしたものがなく、自由に制作スタートできる状況の時、とりあえずテンポ120くらいのリズムを鳴らしておいて、ピアノやオルガンの音色で思いつくままポロポロと鍵盤を弾きます。

そうしている時もたまに「おやっ!?」と思うメロディが浮かんだりするので、そのとっかかりができたらすぐに録音。
楽譜は書かずに、MIDIシーケンサーというパソコン用音楽ソフトを使って、演奏データとして直接記録しています。

この時、まだ編曲/アレンジのことはあまり考えないようにして、ピアノ一本でワンコーラスをとりあえず組み立てます。
作曲が終わって形が出来上がってから、どういうジャンルのどういうアレンジにすればしっくりくるかを考えます。

時には、4/4拍子で作った曲が3/4や変拍子になったり、テンポが倍の速度になることもあります。
メジャー系の明るい曲がマイナーになった場合も無くもないです。

作曲の段階では鼻歌でも歌えるシンプルなものにし、どういう風にでもアレンジできるようにしておきます。
鼻歌で口ずさめてしっくりくる曲は誰の耳に残り易く、結果後々皆さんに語り続けられる楽曲になっていった場合がほとんどです。

だいたいのアレンジが決まったら、ドラム、ベース、コードなどを入れて曲の雰囲気がわかるデモを作ります。
それをディレクターさんに聴いてもらい、方向性として合っているか、直すところはないか確認をします。
もちろんそこでダメ出しをくらって一旦作曲の段階まで戻らなければならない時もありますが、よほどでない限りメロディ自体が元凶ということは無いので、基本アレンジの方向性をやり直すことで、最初に思いついたメロディはそのまま活かすことができます。

近作でわかりやすい例(ウラ話とも言う)として、『隅田川夏恋歌』がまさしくそのパターン。
これは元々jubeat ripplesのために制作し、おかげさまで話題となってポップンにも移植してもらいましたが、最初に出した歌詞がまだ無いデモ状態では、「テンポがゆっくりすぎる、バックのフレーズの一部があまりカッコよくない」と、NGを出されてしまいました。
でも作曲の部分は気に入っていたので、特に変えることなくテンポを1.5倍くらい速くして、カッコよくないと言われたフレーズも、多少取捨しつつも、こだわりの部分は残して音色そのものを変えて、リズム感を平凡な8ビートだったものから、あの花火がドカン!ドカン!するような派手な音にした事で、OKをもらえました

歌詞も、当初曲を作っていた時は中華風でカワイイ女の子の歌をイメージしていたのですが、アレンジを変えた事で頭の中が中華から和風に変わり、花火の風景が浮かび、「すみだがわぁ〜」とか「カラコロカラコロ」とかが勝手に浮かんできて、そうして出てきた散らばるキーワードを紡いでいったら、勝手にあの物語が完成していたという訳なのです。

おかげでゲームとしても手ごたえのある難易度の曲になったし、曲の雰囲気や歌詞の世界観が多くの皆さんにも好感を持ってもらえて、はや2年越しで今も話題にしてもらえるほど愛される楽曲になったのでした。

…ダメ出しが無かったらこうはなってなかったのかもしれませんね?

今はシンセの音色やサンプリングのフレーズから着想して、一気に短期間で編曲と作曲をセットで曲作りする人も多いと思います。
私もジャンルによってはそういう手法を取るけど、振り返ってみて自分でもずっと気に入ってて、こうした不意のダメ出しでも曲ごと捨てずにアレンジから立ち戻れているのは、作曲と編曲をしっかり分離した制作をした楽曲のほうなんじゃないかなと思います。
その場の勢いじゃ作れないから結構時間はかかりますけれども。

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歌の世界観は中二病から

近頃は歌付き曲も自分で歌詞を書くことが多くなって、もう作詞家も名乗っていいよね?って思うくらい作品も増えました。
音楽を始めた頃は、そういう物語を考える素養は自分には無いと思っていたし、たいして興味も持っていなかったんですが、前述のようにメロディを作っている時に、物語のきっかけとなるキーワードも「降りてくる」んですよね。

よく「中二病」なんていう言い方がありますが(笑)、私はおそらくイイ歳してまだソレが抜けていないみたいで、キーワードがポロポロ出てくると勝手に物語がブワッ!と広がりだすんです。
そうなるともう、それを他の作詞家さんにそれを伝えながら遠隔操作で形にしてもらうより、自分で書いたほうが的確だなと感じるようになったんです。

以前、とある著名な作詞家さんのお話しを伺う機会があり、作詞をする時の注意点、心得みたいなポイントをいくつか教えてもらった事があり、他の作詞家さんにお願いしていた時も、その心得に沿っているかどうかで修正をお願いしていました。
そこから自分でも見よう見まねで言葉選びをするようになり、想像の中で映像として物語が広がっていれば、案外それを言葉に換えていくのは曲を書くよりもスムーズで、あまり時間をかけずに歌詞が完成してしまいます。

歌詞がうまくメロディにハマって、短い言葉で映像が浮かぶくらい表現できた時の感動は、メロディが浮かんだ時以上の達成感があります。
だから中二病はモノづくりをする人には大切なんだと思いますよ。

メロディもそう、「こっ恥ずかしいなこのフレーズ…」なんてイチイチ我に返っていてはダメなんです。
音楽に限らず、創作は恥ずかしがらずに、内なるところから溢れ出るモノ、空から降ってくるもの全て集めて形にしていくことが大事ですね。