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制作秘話を語る!村井聖夜的音楽ノ作リ方vol.2
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今回のテーマ「歌詞と作詞」

さて、前回は私、村井聖夜がどうやって曲を作っているかについてサラッとですがお話ししました。
今回は第2回目として、大好きな制作機材や楽器の話をしようか、それとも歌について話そうか迷いました。
どうしてもマニアックな機材の話まで飛んでしまうとついていけないという人もいるかもしれないので(笑)、今まであまり明かさなかった歌詞の組み立て方について、私の考え方やり方を心得としてお話ししてみようと思います。

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詞を書くということ

小説家になる人は、昔からたくさんの本を読んでいたと聞きますが、作詞家はどうなんでしょうね、私は本はほとんど読まない子供でしたが…
誰かが作った物語から歌詞のヒントをもらってくるというのは、作詞のひとつの手法としてアリだとは思いますが、私はそればかりが物語の源じゃないと思っています。

例えば、夜遅くの帰りの電車に乗って、向かいに座って酔っ払って寝ている人をチラッと観て、その人のプロファイリングをしてみます。
持ち物や服装、今ある状況、どの駅で乗ってどこで降りたか、誰と居たか、合間どんなことをしていたか…そんないくつかのきっかけから勝手に物語を想像してみます。

あなた自身の過去を振り返ってみてもいいでしょう。まだ経験してない事だって構いません。「もしあの時こうだったら自分はこうしたな」と思うことを妄想を豊かに膨らましてみれば、なにも名探偵が事件を解決したり、複雑な人間関係を描いた小説からヒントにしなくたって素敵な物語は生まれます。

それになにもそこで一本歌詞を書かなくたっていいのですから、これはあくまで発想の訓練。いくつかのシチュエーションからプロファイリングが自在にできる技を磨いておけば、いざ作詞をする時にもすんなりと物語が出てくると思います。

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物語の構築

妄想するのが好きな人ならノートなどに短く詩を書き貯めたりしている人も少なからずいるかもしれません。
そこにメロディを付けて曲を作る、いわゆる詞先(しせん)というやり方があるのですが、私の場合はほとんどそういうことはしていません。ノートにポエムを書き貯めてもいないし(笑)、なんでもない時は何も物語を考えたりはしていないので…。

前回もお話しした通り、私は曲が先に出来てくる、曲先(きょくせん)でほとんど作っています。
奏でたいメロディを決めてから、それを作詞家さんに委ねて仕上がりを待つこともあるし、近頃はもっぱら自分で歌詞も考えています。
メロディの中におさまる文字数をテキストエディタの上に●(丸)印で埋めておいて、メロディからひらめいたキーワードから、●印を実際の文字に書き換えていきます。
そんなキーワードの切れっ端がいくつか揃ってくると、そのいくつかがお題目となって物語がひらめきます。

よく落語家が自分の話術を鍛えるために似たようなことをやります。お客さんから3つのキーワードをもらって、そこから即興で小話を作るというやつです。まさにあれと同じで、今そこにあるキーワードから物語を即興で考えるのです。

なんかとても難しいことのように思うかもしれませんが、やってみると意外とそうでもありません。他愛もないシチュエーション、よくある風景をひとつ思い浮かべ、それが誰と誰の物語なのかが見えてくれば、後は彼らが勝手に動き出します。それを残りの●印と見比べて、はめていきます。
辻褄があわなければ一度決めたところを消すこともあります。また、場所を移動してサビに使っていた言葉をAメロに持っていったりもします。
そうしてだいたいの歌詞が出来上がったら、細かい言い回しや磨き上げを行っていくのです。

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言わなくてもわかることはあえて書かない

私は歌詞を仕上げていく段階で、いくつかの掟に沿って修正を行っていきます。
歌の中に入れられる歌詞は限られています。少ない文字数で物語を膨らまそうと思うと、無駄な描写は極力避けたいものです。
そこで、例えば今どこにいるとか何時頃で〜みたいな部分は、他の表現の中に組み込ませて省略し、容易に想像できるようにしてしまいます。
短歌でいう季語みたいなものですね。その単語が出てきたら時期やシチュエーション、その物語に出てくる人物がどういう人なのかの一部も表現できてしまいます。そうして無駄な描写は極力排して、伝えたい情景だけを描きます。あとは多少の見解の相違があったとしても、それは別にいいでしょう。それぞれ読み取った人が都合よく解釈してくれたほうが、心に残り易いものです。そのための余白として残しておきます。

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同じ単語を繰り返さない

前回書きましたが、とある著名な作詞家さんに教えてもらった作詞家心得に、「同じ言葉をやたら繰り返さない」というのがありました。
私はこれを一番気をつけていて、過去の私の作品を調べてみてもらうとわかりますが、同じ言い回しが2度でてくることはほとんどありません。

曲のタイトルだったり、物語の主体となる固有のキーワードだったら何度繰り返しても構わないのですが、そうではなく物語を組み立てる上で、文章の繋ぎに使う動詞・形容詞的な言い回しが、無駄に繰り返さないように注意しています。
もし似たような表現をしたい部分があっても、あえて別の言い方に置き変えます。こうすることで単調になりやすい表現を回避することができます。

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韻の踏みすぎに注意!

よく、歌詞で韻を踏むという手法がありますが…あれも程々にしたほうがいいかなと私は思っています(笑)。
誰もが最初に聞く作詞のイロハみたいなもので、やたらそればかり気にしすぎて作った歌詞は、「こんな言い回し思いついちゃった!」と自慢しているみたいで、聴いていて逆にシラケてしまうからです。
単に言葉遊びをしているのであって、物語が薄くて伝わらない…みたいな事になるので、全体のごく一部に印象的に入れる程度で抑えておいたほうがいいんじゃないかなと思います。

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言葉のアクセントとメロディーを合わせる

これは絶対守るというほどではありませんが、昔から良い歌は言葉が自然にメロディに乗っているといいます。歌うのではなくその言葉を音読した時に出る声の高低・強弱を、そのままメロディにシンクロさせた時が一番気持ちよく歌に載るし、歌い易いと。

しかし近頃のポップスは必ずしもそうではないけれど何故かキャッチーな場合もあります。
あえてメロディの載せ方を崩すことで、その曲の特徴みたいにする場合です。でも、それが曲全体でそんないびつな状態では、何を歌っているのか歌詞が伝わらなくなってしまいます。
ただしこれについては、私も上に挙げた他の掟ほど厳密にはしていません。ただ、メロディの途中で言葉が渡るようなことは極力しないようにしています。1フレーズならその中でひとつの言葉が終わり、次のフレーズでその続きを一言て言い終われるように組むのが、美しい歌詞だと考えています。

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歌詞を文字にする時

歌は歌うだけじゃなく、印刷物として文字として、目に触れる事もあります。
そうした時、ただ教科書のように正しく漢字とひらがなを並べて書いただけでは、優等生すぎて味気ない感じになってしまいます。
そこでもまた、物語をさらに奥行きを持たせるように、漢字、ひらがな、カタカナ、英語、時として当て字も含めて、効果的に文字を使っていきます。
同じ単語でも漢字で書くのとカタカナで書くのでは、カタカナのほうが斜に構えた態度を表しているようになるでしょうし、歌としては文字数の都合で一言で言わないといけないのだけれど、当て字にすることで本当に表したい事柄を書いておくなどできるからです。
また、歌詞全体を文章として観た時に、漢字が多すぎるとどうしても堅苦しくなってしまいます。適度にひらがなやカタカナに開いてしまえば、目から入る印象として柔らかくすることもできます。
さらに、「てにをは」を省略したがために、二つの単語が同じカタカナやひらがなで並ばないよう、片方をひらがな、もう片方をカタカナというように別の文字で置きかえることで、それぞれの単語がわかりやすくなるよう配置するという工夫も効果的です。

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恥ずかしがらない!

そう!描いた物語に我に返って恥ずかしがらない!これ重要です(笑)
言わば自分の脳内をヌードにしてさらけ出してるようなものですから、歌詞というのは…そりゃ他人に読まれると恥ずかしいでしょう…うんうん。
でもそんな事を気にしていてはあらゆる芸術的創作はできません。曲だろうが絵だろうが演技だろうが同じこと。
創作とは自分自身をマッパにすることなのです!(笑)

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え〜とりあえず…

思いつくままに書いているので、何か重要な事を忘れている気がしないでもないですが…
作詞歴がそんなに長い訳でもないのに、なんかエラソ〜に書いていますが(笑)、これは自分が自分に課した掟みたいなもんなのです。
他の作詞家さんに歌詞を書いていただいていた時でも、だいたいこの掟に沿って修正してもらったりしてきました。
もしあなたが私の作った曲を気に入っていただけるのならば、それはこれらの掟を守った結果と思っていただいて間違いありません。

当然、世の中には全くこの心得に沿わないけどヒットしている曲もあるでしょう。でも、たぶん私はそういう歌は好きではないので、気に入らない歌詞の曲を聞くと、あえて聴きこんでなんで気に入らないかを分析して、反面教師として作詞の掟をまたひとつ増やしていくのです。


音楽に良い悪いはありません。好きか嫌いかがあるだけです。そればっかりは仕方がない…作り手がある周波数で電波を飛ばして、同じ周波数でラジオのチューニングを合わせてくれた受け手にだけ届く、音楽に限らず表現とはそういうものです。

だから、あまり流行りや他の声に翻弄されて自分の表現スタイルを見失うと、常に周波数を変えて電波を飛ばし続けた挙句、結局誰の耳にも受信されないなんてことになりかねません。

自分の音楽はこうしよう、こういうことはしないでおこう、という掟をしっかり決めておけば、リスナー全員にではないけれど、ちゃんと届く人にはしっかりと深く届くと思って日々音楽をしています。

…というわけで、私の話はまァ参考程度に(笑)、あなたなりの音楽作りの心得を考えてみてください。



村井聖夜