朱と碧のランページ
w「ここからはNU-KOゾーンなんですけど。"朱と碧のランページ"はNU-KOの新しい面を狙ってやったことは間違いないと思うんだけど」P「そうですね」
w「もともとNU-KOってどっちなんだろうね?」
P「もともと、ランページのイメージのほうが、多分出しやすいと思うんですよね。声質的には」
w「あーなるほどね。わりとカッコいい系の歌い方」
P「そうですね。キャピキャピよりは、クールな方が得意なんだと思うんですけども。"恋愛観測"を一番最初に歌ってもらって、次"ポチコの幸せな日常"で、"朱と碧のランページ"っていう。アルバムの順番とはまた違うんですけども。まず"恋愛観測"やってみて、一番ポピュラーな形で出した、と。この子は他にもいける!って思ったんですよね。なので、さらに飛び抜けた語りとかも入ってるような曲をやってもらおうと思ってポチコ。おもいっきりラブリー系に行ったあとで、真逆の新しい方向性のランページにいったと」
w「反対側にふりこが振れたという。なるほど」
P「やっぱ一番最初に幅の広さがわかったので、なんかやろうと」
w「そうなると、NU-KOの次が楽しみだよね。どういう路線にいくのか」
P「そうなんですよ。僕もやりたいのもやまやまなんですけど、他の人と組んでどうかっていうのもすごく気になるところではあるんで、色々企画してみたいなぁとは思ってますけどね」
w「やろっかな」
P「お、でた!?」
w「そんなこと言っちゃうとやらなきゃいけなくなるよね(笑)」
P「僕もね、秋成くん曲作ることになってますから(笑)」
w「いや俺もね、いずれ秋成くんはやりたいと思ってるんだよね」
P「やっぱり、公募勢は貴重な存在なんで」
w「公募勢はみんな歌わせてみたいんだよ~。mamiだってもっと色々歌わせてみたいし、もう3人まとめて一曲にしちゃおうか」
P「それはね、一番もったいないパターンです」
(一同笑)
w「あの人と組ませてみたい、とかもいっぱいあるしね」
P「ぜひ、色んな顔をみたいなとは思ってます」
恋愛観測
w「"恋愛観測"なんかね、すっごい僕、歌詞が好きで」P「歌詞はね~、すっごい考えました」
w「ロングになったときに、追加の歌詞っていうのが難しいんですけど。そこでやっぱ語彙力が試される」
P「そうですね。キャラクターが既についていることもあって、世界観をそのキャラクターのものにしてあげようと」
w「2番だからって世界観壊せないからね。だからって同じこといってもしょうがない」
P「うんうん」
w「どう置き換えていくか。どう広げていくかっていう。でも"恋愛観測"はうまいことやってるな~って思ったよね」
P「曲の構成も"恋愛観測"はかなり考えて、歌詞も考えて、いい感じでまとめられたかなと。そういえば、アルバム制作の一番最初に手をつけたのがこの曲でしたね」
w「それはVENUS用に??」
P「いやいや、違いますよ!関係ないです」
w「『叶えてよ、ねぇ神様っ…』ですよ。乙女だな~」
──この女の子、かおりんもPONさんの頭のなかにいるんですか?
P「いるいる!やっぱその曲の歌詞を書くときは、この人ならこう言うかな、こう考えるだろうなっていうのを想像して書きます。『小さなノートに書きれない未来は キミと恋愛観測』みたいな、乙女チックなことを想像しますね。ノートやレンズなどの語句はもちろんかおりんのアニメーションからヒントを得ています」
w「ヤバイくらい乙女だよね!自分用の曲を書くときと、誰かのために、NU-KOのためでもあり、かおりんのためでもあり、その子になりきって書くときとでは、全然違うじゃない?」
P「そうですね。憑依させるが如くなりきって作るタイプなので、そうやって聴いた人が世界観を想像しやすくなるよう心がけています。そういえばDメロの歌詞がハマった時なんかは、NU-KOの声、静かになるアレンジ、メロディーも相まって一人でジーンと来ちゃってました。健気な子だなぁ…みたいな(笑)」
w「そういう意味では、BEMANIの作詞する人のなかではその辺がうまい人だな~と思ってて」
P「あ~、ありがとうございます」
w「俺がね、下手くそなんですよ。乙女心を歌うのが」
P「ちょっとひねくれちゃう感じ?」
w「そうそう、どうしてもね、ひねくれちゃう。なんか、言わなくていいことを言ってしまう。『手当たりしだいフォーリンラブ』とか言っちゃう(笑)」
──(一同笑)
P「それ、どの曲ですか!?」
w「こないだの、○○さんの」
P「あ~!はいはい」
w「結局変えましたけど。2日後にね、やっぱり女の子に歌わせるの悪いかなぁと思って…(笑)」
P「本当っすか。いや面白いと思うんだけどな」
w「ちょっと面白くしちゃおうとか思っちゃうところを抑えなきゃいけない。そこでちゃんと乙女を徹することができるのが素晴らしいなと思いますよね」
──担当キャラクターのかおりんをデザインしたちっひさんが、ポップンの公式ページ(※)で『カレの苗字の下に自分の名前を書いてみて大興奮したり、女子のみなさんなら誰もが通った道!』と書いていて
P「書いてた書いてた」
w「へえ~…そうなんだ、やってたんだ?」
──やったかどうかはさておき(笑)盛り上がっちゃう時期って女の子にはありますよね
P「そうだよね、あるある」
w「あるある…いや、何がわかるんだ俺たちに!?何がわかるのよ!」
P「いやいや(笑)女子はいろいろなエピソードがあると思いますよ。ありがちですが友達と同じ人を好きになっちゃうとか」
──ちっひさんにそうやって言わしめるキャラを、誰かに聞いて作ったとかじゃなく、自分の頭のなかにいるというのがすごいです
w「まぁ、男でもあるけどねそういうの。男と女って実はそこまで違わないかもしれない。今聞いてて思い出したけど、僕もね、ちょっと気になった子を」
P「お!?」
w「自分の名字にしたことあるわ」
P「えぇ~!?」
w「結構いい並びではあるまいかと(笑)」
P「いい並びではあるまいかって(笑)」
──(一同笑)
P「でも、ありますよね。やっぱり僕らね、想像力で生きてるんで。そこは財産であり、気持ち悪いところであり(笑)」
w「これ言ったらいかんやつだった。ほんと気持ち悪い男たちですよ!」
──恥ずかしいから、学生のときの妄想とか絶対誰にもいわなかったですけど、この業界入ってからは、結構みんな一緒なんだなって思ったり
P「そうそう、僕らクリエイターにはそこが大事なんでね」
w「歌詞についても共感を得るっていうことは、ポップだよね。逆に、尖るっていうか、自分には全然ない、意味わかんないっていう方向に尖っていく歌詞の方向性ももちろんあるとは思うんだけど、やっぱり『この人は自分を歌ってる!』と思わせる、そういう人を多くもてる歌詞にはポピュラリティーとしての強さがあるんだよね。例えば僕の場合だと、好きだった作詞家の影響だったのか、音楽をしてたコミュニティの風土なのか、照れなのか、単に経験不足なのか、まあとにかくストレートなラブソングが全然かけなくて。どうしたってどこか斜に構えて突き放したり、あえて「恋」とか「愛」にまつわる言葉を使わないで表現しようとしたり、例えば「合体ロボ」に置き換えようとしたりしちゃうんだけど…そういうのだとやっぱり」
P「あ~、共感できないんだ!」
w「そうなんだよね。やっぱり、ラブソングだったら今まさに恋をしている女の子とか、聴いてくれる人の心に寄り添えるような歌詞でないと…それがポップということなんじゃないかなあ」
P「みんなに共感してもらうことがやっぱ大事なんですね」
w「でもまあ、僕はラブソングに共感できないような、そんな人生を送ってる奴らのためのラブソングも書きたいと」
P「多いですよね~!そういうのね、wacさんのいいところかなって」
w「大槻ケンヂさんの影響なんかなあ。世の中にはね、ラブソングどころじゃねえよ、俺の人生なんて。という人のための曲を書きたいっていう」
P「すっごくわかる!でもね、絶対そういう人もいるんですよ」
w「自分は自分でそういった方の共感を得られればいいかな~と。それぞれ役割があるもんね。そういう意味で、PON君はどっちもいける派だなって」
P「そうですね。想像のもと、どっちもいけるように頑張っております」
w「このリア充が!」
P「それはリア充なんでしょうか?(笑)」
w「キミのプライベートは知りません」
※pop'n music 20 fantasia 『恋愛観測』曲紹介コメント(NU-KO、PON、ちっひ)
ポチコの幸せな日常
w「ポチコなんかはさらに犬までいっちゃったという」P「突き抜けてね(笑) 可愛い女の子を書きてぇ、ということで可愛い犬の女の子でいきましたね」
w「実際犬派なの?猫派なの?」
P「え~~~とね、もうどっちでも大丈夫です。どっちもいけますね」
w「この浮気者が!いや、博愛なのか…僕も犬も大好きなんでね。猫推しっぽいけども」
P「昔はね、猫派だったんですけど…もう、Codyのせいで」
w「Cody犬派だから」
P「超犬派なんで。まあその影響もありつつ…犬もいいかなって最近思いますね」
w「犬の可愛さが凝縮されている曲だとは思いますね。愛が講じて『愛のムチですーっ!おーーんどりゃぁぁぁーー!!』になったんだな」
P「そうですね、ロングではね(笑)」
w「ゲーム版で入れるかどうか悩んでたやつ、最終的に入ったやつね、まさかそこで野犬の群れがくるとは思わなかったね。どういう展開なんだか全く分からない」
P「途中の語りの部分で、野犬の群れに主人が襲われてるので、それを助けに行くポチコっていう内容」
w「日本のどこだって感じ(笑)」
P「野犬いるんだ(笑)」
w「NU-KOの『うおおー』が凄い」
P「元々声芸も得意なコなので、これは絶対入れたいなと」
w「そういう意味でも、NU-KOのポテンシャルが遺憾なく発揮された…」
P「どんどん良さを拾って広げていったみたいな」
w「皆そうやって羽ばたいていくのね。素晴らしいです」