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グリム・タイガリック1回目B

グリム・リック
「ひき肉になれやぁ!」

グリム・リックから無差別に放たれた魔法を、暁の賢者たちとグリム・タイガが飛び退いて避ける。

グリム・タイガ
「ぐっ……キミはなにを考えている。
 僕に当たったらどうするんだ」

グリム・リック
「当たるテメェがトロいんだよぉ。
 イヤなら避けろやぁ!」

タイガ
「無茶苦茶やな、こいつら!
 味方にも当たるちゅうのに関係なく魔法撃ち込んで来よる!」

リック
「動きが読めない!
 連携を考えていないことが、動きに制限をなくしているのか!」

アイコ
「ていうかいつの間にか戻ってるし!
 でもわたしたちも毒がちゃんと治ってないし、そんなに長く戦えないよ!?」

ルキア
「だったら、口喧嘩してるうちに攻撃しちゃったほうが――」

体勢を立て直したルキアの足元の地面が不意にぼんやりと光を発した。

ルキア
「あ、あれ? なんか踏んじゃった!?」

タイガ
「ぐあっ!? 地面から鎖が!?
 魔法陣か! クソッ、動かれへんやんけ!」

グリム・タイガ
「計算通りだ」

グリム・リック
「ダボがッ! そいつはオレ様の魔法だ。
 動けねぇだろ? 動けねぇよな!」

リック
「またお前か!
 いったい、何度卑怯なことをすれば気が済むんだ!」

グリム・タイガ
「キミは勘違いをしている。
 確実な勝利を掴むために策を講ずる。 それのなにが悪い?」
「卑怯がなんだというんだ。
 この世は結果が全てなのだから。 過程は問題ではない」

タイガ
「なんちゅうやっちゃ。
 涼しい顔して言うことかい!」

グリム・リック
「あははっ! さぁて、トドメを刺すかぁ。
 感謝しろよぉ、白メガネ。 これはぜぇんぶ、オレ様のおかげだぜぇ!」

グリム・タイガ
「バカか、この作戦を立てたのは僕だ。
 キミはなにも考えていないだろう」

タイガ
「……ああ、違いないわ。
 そっちのリックは、かしこな作戦とかようせんやろしなぁ」

グリム・リック
「んだと、こらぁ!
 この状況でなに言ってんだ、ダボがッ!」

タイガ
「お前もそう思わへんか、リック?」

リック
「……ふっ、そういうことか」

リック
「あぁ、確かにその通りだがひとつ違うぞ。
 向こうのタイガは理論だけで力は弱い」

リック
「頭だけで繰り広げる空想に実態を持たせたのは、
 力のある俺のエボルグリムの方だと思うぞ」

グリム・リック
「あははっ、そうだよなぁ。
 頭でっかちにはできねぇことだぜぇ!」

グリム・タイガ
「なんだと?
 僕無しではキミに勝算などないだろう」

グリム・リック
「あ? オレ様の魔法がなけりゃテメェの作戦もなにも成功してねぇだろ」

グリム・タイガ
「キミは僕なしで作戦を立てられたか?
 立てられるわけがない、キミはバカだからだ」

グリム・リック
「バカバカ言いやがって、クソがっ!
 その脳みそぶちまけてやらぁ!」

グリム・リックは怒りに任せてグリム・タイガへと魔法を放つ。

グリム・タイガ
「とうとう僕に向けて攻撃したな。
 キミはこの僕が断罪する!」

グリム・リックの魔法を避け、グリム・タイガは魔法を放ち返す。
同時に暁の賢者たちを拘束していた魔方陣が消えた。

アイコ
「やったぁ!
 今の攻撃で魔法陣が消えたよ!
 これで自由に動けるね!」

グリム・タイガ
「なにっ!? あ、ありえん!
 僕の完璧な作戦が!」

ルキア
「へへんっ、こっちの作戦勝ちだもんね。
 簡単に乗っかっちゃってさ!」

グリム・タイガ
「キミが無闇に魔法を撃つからだぞ」

グリム・リック
「このスカがぁ!
 テメェの魔法のせいだろうぉ!」

リック
「お前たちの魔法のおかげだ。
 これは礼だ、受け取れ!」

リックの攻撃を避け切れなかったグリム・リックが苦悶の声を上げた。

グリム・リック
「ぐあっ、このぉ……!」

タイガ
「お前のあっさい作戦はしまいや。
 この拳でそのデッカイだけの頭、グワングワンいわせたるからな!」


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