• LINE
  • X
  • Facebook
  • e-amusement TOP
e-amusement

menu

グリム・ハルトクララ1回目A

ハルト、タイガ、クララ、アイコの4人は調査のためにカナザウアーに居た。

クララ
「カナザウアーに入ったのはいいけど、クサビ、見当たらないね……」

ハルト
「暗き闇の中に潜み、我々を嘲笑っているのかもしれない」

クララ
「このままみんなで固まって探すより、手分けして探したほうがいいかも」

タイガ
「ほなら、一時間後に集合っちゅうことで。
 アイコ、お前は俺と一緒に来ぃや。
 油売らんように、俺がしっかり監視したるさかいな」

アイコ
「えぇ!? 遊ぶなんてそんなことしないよ!
 状況が状況なんだから」

タイガ
「おもっくそ目ぇ泳いどるやんけ!
 ほれ、つべこべ言わんとさっさと行くでー」

クララ
「ハルト君……やっぱり、わたしたちも一緒にいく?」

ハルト
「その必要はあるまい。
 貴様ならば俺の手を貸すまでもなかろう」

クララ
「そ、そう? じゃあ、ハルト君も気をつけて」


クララは仲間たちと別れ調査を開始するが、クサビは依然として見つからない。

クララ
「……ひとりはちょっぴり寂しいなぁ。
 やっぱり誰かと一緒の方が――」

???
「ちょっとちょっと~。
 そんなとこに立たれると邪魔なんだけど~」

立ち止まって思いにふけっていたクララに、派手な格好をした少女が咎めるような言葉をかける。

クララ
「ご、ごめんなさい!」

派手な格好の少女
「……あれ? あれれ?
 もしかして、クララちんだったり~?」

クララ
「えっ? は、はい、そうですけど。
 どこかでお会いしまし――」

派手な格好の少女
「うっそ! マジでクラくらじゃん!
 こんなところで会えるとか奇跡じゃね?」
「ってか、なにその格好。地味すぎだし。
 もっとオシャレしなきゃ!!」

クララ
「じ、地味!?
 こ、これは制服で……それよりもあなた――」

派手な格好の少女
「クラりん、元が超かわいいのにもったいないじゃん!」

クララ
「か、可愛い!?
 そ、そうでしょうか……そうかなぁ……」

派手な格好の少女
「よし☆ あーしがコーデしよっか!
 おすすめのお店があるんだよね。 ほら、こっちこっち!」

クララ
「ちょ、ちょっと待って。
 引っ張らないでくださーい!」

繁華街にたどり着く二人。
少女は手近なアパレルショップにクララを引き込み、見立てを始めた。

派手な格好の少女
「クラたす、いーよいーよ!
 こっちの服とか似合うんじゃね?」

クララ
「う、うわぁ……まるで下着じゃないですか。
 こんなの私に似合うかな……」

派手な格好の少女
「大丈夫だって、よゆーよゆー。
 ほらほら、試着してきなって!」

クララ
「じゃ、じゃあ、少しだけ……」

派手な格好の少女
「あ~、やっぱいいな~。
 一緒にショッピングできる相手がいるって♪」

クララ
「え? いつもひとりなんですか?
 お友達とか……」

派手な格好の少女
「えぇ、それ聞いちゃう感じ?
 まるであたしが友達いないみたいじゃん」

クララ
「ち、違います、そういう意味じゃなくて!」

派手な格好の少女
「まあ、ぶっちゃけそうなんだけどね。
 ひとりだけ、いるのはいるけど一緒に行こうと思わないし。
 だから、今めっちゃ楽しい♪」

クララ
「……あ、あの!
 私でよければまたお付き合い――」

タイガ
「人を30分以上も待たせといて、自分は楽しゅうショッピングかいな。
 ええご身分やな、クララ」

クララ
「た、タイガくん!? ……あっ!
 こ、これは違うの、この人に勧められて!
 私が選んだんじゃないの!」

タイガ
「あほ!
 その服は別に良ぉ似合うとるけど、
 俺は待ち合わせに来んかった事をツっこんどるんや!」

アイコ
「そうだよ、クララだけ遊んでるなんてずるーい!」

クララ
「あっ……それは、その……」

派手な格好の少女
「ちょっと、邪魔しちゃダメじゃん。
 クラらん、せっかく乗り気になってきたのに」

アイコ
「さっきから気になってたけど、そちらさんは誰?」

クララ
「そ、そうでした!
 まだ名前も聞いてませんでしたね」

派手な格好の少女
「えー、うっそ。
 あーしのこと、誰かわからずに付いてきてたの?」
「まっいいや。
 あーし、クララ。 よろしく~♪」

クララ
「へぇ、あなたもクララって……ええっ!?
 も、もしかして、エボルグリムなの!」

グリム・クララ
「てか、今の今まで気付かなかったとか、
 逆にびっくりなんですけどー」

クララ
「ま、まったく気付きませんでした……」

グリム・クララ
「うんうん、あるよね、そういうこと。
 ……ないかな?」
「ま、いいんじゃない? 襲うわけでもないし」

グリム・クララは敵対者であるはずの4人を前にしても、あっけらかんとしていた。

ハルト
「ふむ、どうやら貴様に戦いの意思はないようだが、
 我々に大人しく封印される気はあるのか」

グリム・クララ
「えー、それはイヤ。
 封印されちゃったら遊べなくなるじゃん」

グリム・ハルト
「お、お前、ここでなにやってんだよ」

陰鬱な雰囲気の少年が現れ、グリム・クララに声をかける。

グリム・クララ
「おっ、はるるん。おつー。
 もしかして、あーしのこと探してたとか」

グリム・ハルト
「お、お前が呼び出したんだろ……!
 ふざけるな……ふざけるなよ……っ!」

ハルト
「なっ! 貴様……
 も、もしや俺を模したグリムか……?」

グリム・ハルト
「うわぁ、オリジナルキタコレ!?
 ていうかエンカウント済みとか!?
 ど、どうするんだよ、戦うの!?」

クララ
「どうやらそうみたいだよ、
 ハルト君……」

グリム・クララ
「はるるん、うっさいしー。
 てかさー、戦うとかダルいよね。
 やるんならひとりでやってくんない?」

グリム・ハルト
「む、無理に決まってるだろう!?
 どどど、どうしたら僕ひとりで勝てるんだよ!
 ありえないでしょそんなの!」

余裕無く非難の言葉をまくし立てるグリム・ハルトの様子に、ハルトは愕然とする。

ハルト
「俺のエボルグリム……なんと脆弱な……」

グリム・クララ
「えー、まーはるるんがそういうなら、
 ちょっとだけやってあげてもいいかなー。
 貸しだよ?」

グリム・ハルト
「てかそれが僕らの仕事でしょ……乙」

グリム・クララ
「はいはい、しゃーなし。
 んじゃ、ひと暴れしちゃいますかー!
 ちょちょっと遊んであげるから♪」

クララ
「わわ、結局戦うの!?」

エボルグリムたちは瘴気に包まれると、
フクロウとクモが合体した姿の巨大なグリムへと姿を変えた。

グリム・クララ
「ちょっとだけ、本気だしちゃおっかな♪」

©2024 Konami Amusement