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グリム・ヤンヤンラスク1回目B

グリム・ヤンヤン
「アハハハハッ!
 その程度では止められないアルよ!」

ヤンヤン
「うぅ……盗人のくせになかなかやるアル!」

ヴァニィ
「これは激しい攻防戦!
 実況を行うわたくしもその余波に飛ばされそうです!」

ラスク
「ヴァニィ、その根性はスゴイと思うけど状況考えて!」

ヴァニィ
「お心遣い感謝いたします!
 ですが、放送部といたしましては、このマイクを手放すわけには参りません!」

グリム・ラスク
「へへっ、そいつがそんなに大事か。
 じゃあ、いただきだ!」

グリム・ラスクはにやりと笑うと、目にも留まらぬ速さでヴァニィからマイクを奪い取る。

ヴァニィ
「きゃあっ!? な、なにするんです!?
 わたしのマイクがっ!?」

グリム・ヤンヤン
「うるさいアルね。
 大人しくしてないと食べちゃうアルよ」

マイクを失い狼狽するヴァニィを、グリム・ヤンヤンが後ろ手にひねり上げ拘束する。

ヴァニィ
「うぅ……」

マヤ
「ヴァニィさん!」

グリム・ヤンヤン
「あー、動いちゃダメアルよ。
 変なことしたらヤッちゃうアルからね♪」

ヤンヤン
「どうするアルか、ラスク。
 これじゃ、手が出せないアルよ」

ラスク
「人質を取られてるんだから、どうすることもできないじゃないか」

グリム・ラスク
「ほら、さっきの魔法を出すやつ、大切なんだろ?
 そいつを寄越しな。 そしたら、こいつを返してやる」

ヴァニィ
「ま、待ってください!
 グリモワールを渡してしまっては、みなさんが魔法を使えなくなってしまいます!」

グリム・ヤンヤン
「ふふん、それだけだったらいいアルね。
 さぁさぁ、どうするアル?」

ヤンヤン
「……これを渡せば本当にヴァニィを返すアルか?」

グリム・ヤンヤン
「ええ、約束するネ。
 地獄の沙汰も金次第って言うアルからな」

ヴァニィ
「だ、ダメです!
 みなさん、わたしに構わずこの方たちを!」

ヤンヤン
「……グリモワールは他にもあるけど、ヴァニィの命はひとつだけアル」

ラスク
「命より大事なものなんてないよ。
 ほら、僕たちのグリモワールだ。 持っていきなよ」

マヤ
「仕方がないわね……これも持っていって」

ヴァニィ
「みなさん……」

グリム・ラスク
「おおっ、すっげーじゃん。 本物だぜ、本物!」

グリム・ヤンヤン
「いやぁ、感謝するアルよ。
 お前のおかげでいいものが手に入ったアル♪
 ちょちょいと調べさせてもらうアルね」

グリム・ラスク
「ま、こんだけありゃ十分だろ。 ほら、返してやるよ」

グリモワールを入手し満足げなエボルグリムたちは、ヴァニィを乱暴に開放した。

ヴァニィ
「きゃぁ!!」

ヤンヤン
「ヴァニィ、大丈夫アルか?」

ヴァニィ
「あの、その……ごめんなさい」

ヤンヤン
「いいアルよ。 無事でよかったアル。
 でもマイクを取られちゃったアルな……」

グリム・ヤンヤン
「ああっと、忘れてたアル。
 すぐに追いかけられても面倒だから、少しそこで寝てるアルよ」

そう言って放たれたグリム・ヤンヤンの攻撃魔法が、
ヤンヤンとラスクたちの近くで炸裂する。

ラスク
「うわぁっ!」

ヤンヤン
「ひうっ!?」

マヤ
「ヤンヤンさん、ラスク君!」

グリム・ヤンヤン
「ひとつ言っとくアル。
 命より大事なものなんて、いくらでも存在してるアル」

グリム・ラスク
「金やコレクションだ。
 まっ、お前たちにはわからねぇだろうがな」

足止めが功を奏したと見ると、
エボルグリムたちは不敵な笑みを浮かべ姿を消した。

ラスク
「いたた……
 なんてことするんだ、あいつら」

マヤ
「ふたりとも、大丈夫?」

ヤンヤン
「な、なんとか平気アル。
 それより、これからどうするアルか……。
 グリモワールなしでは戦えないアル」

ラスク
「なんとか連絡を取って他のみんなを呼ぶしかないかなぁ」

ヴァニィ
「わ……、わたしがなんとかします。
 今グリモワールを持っているのはわたしだけですから……!」

ヴァニィはマイクとともに実況時のハイテンションさを失いながらも、
責任を感じて決意の声を上げる。

マヤ
「ちょ、ちょっと待って。
 ヴァニィさんひとりで戦うなんて無茶よ!」

ラスク
「……って、なんでグリモワール持ってるの!?」

ヤンヤン
「もしかしてマイクをグリモワールと勘違いしたアル……?」

ヤンヤン&ラスク&マヤ
「……………………」

ヴァニィ
「みなさんのグリモワールはわたしが取り返します……。
 待っていてください!」

マヤ
「ダメよ。少し休みなさい」

ヴァニィ
「え?」

マヤ
「あなただって疲れてるんだから。
 エボルグリムはクサビのところにいるはずだし」

ヴァニィ
「……マヤさんの言うとおりですね。
 すみません、わかりました」

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