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グリム・レオン2回目B

グリム・レオン
「……ごはっ!?」

レオン
「…………っ…………」

互いに全力をかけた戦闘の末、両者は相当なダメージを受けた。
グリム・レオンは人間態へと戻り、レオンの体からもマナのオーラが消滅していた。

ルキア
「レオン!!」

セリオス
「行くなルキア。 あいつなら大丈夫だ」

一見互角に見えた勝負だが、本人たちは勝敗を自覚していた。
勝負を制したのはレオンであった。

レオン
「……俺の勝ちだな、俺!」

グリム・レオン
「ハッ……お前じゃねぇよ、オレは……」

レオン
「確かに……そうだな。 お前はどっちかっていうと、ライバルだよな!」

グリム・レオン
「ライバルか……は、ははははは!!
 満足だ……満足、したぞ……!」

レオン
「ああ……俺も満足だ! 燃える勝負だったな!」

グリム・レオン
「……まったく、気楽すぎるぜ……オリジナル。
 オレは、敵だぞ……」

レオン
「いいんだよ。 お前はそんな悪い奴でもない……。
 戦っててわかったからな。 はははっ……!」

グリム・レオン
「ははははは……っ!」

戦いを経て互いを認め合うレオンとグリム・レオン。
そのときクサビが怪しく光る。

グリム・レオン
「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁ!?」

レオン
「おい……おい! 大丈夫か!?」

グリム・レオン
「がはっ!?
 さっさと始末しようってことか、セイメイ……ッ!」

セリオス
(……! セイメイだと?)

グリム・レオン
「力を出し切ったんだ。 消えるのはかまわねぇ。 ……でもよ」
「あんなもんに取り込まれて、アイツに利用されて終わるなんざ、我慢ならねぇ」

グリム・レオンはレオンに向き直る。

グリム・レオン
「おい、力を貸せよオリジナル!
 あのクサビをぶっ壊すぞッ!」

レオン
「おうよ!
 へへっ、ライバルが認めあって共闘するのは、熱い展開だよな!」

レオン&グリム・レオン
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

二人のレオンによる渾身の一撃を受け、クサビは崩壊していった。
だが、ダメージを追ったうえ瘴気の供給源であるクサビを失ったグリム・レオンは、もはや限界だった。

グリム・レオン
「これで、終わりだ……オレも、な」

レオン
「かっこよかったぜ、ライバル」

グリム・レオン
「ハッ……ほざけよ、ライバル」

好敵手の意を汲み取り、レオンはグリモワールを掲げ封印を完了させた。
レオンの下にセリオスとルキアが駆け寄る。

セリオス
「よくやったな、レオン」

レオン
「ふぁーーーーっ、しんどかった!
 でも、約束通り勝ったぜ!」

ルキア
「うん! これで全部終わったんだよね!
 みんなのところに戻ろう!」

セリオス
「そうだな。
 早々に確認したいことがある」


アラクラヤマでの任務を追えたレオンたちは、他の皆が待つオーダイヴァ付近に帰還した。

ミュー
「おかえりなさい。
 みなさん、お疲れさまです」

レオン
「おう、ただいま!
 ムジナにイナリ、ありがとな。 あのアイテム、役に立ったぜ!」

イナリ
「そうでしょそうでしょ! 無事で良かったね」

セリオス
「ムジナ、レオンのエボルグリムが気になる名を口にしていた。 セイメイ、と」

ムジナ
「セイメイ……アヴェノセイメイですか!?」

レオン
「……ん? なんかグリモワールが……」

レオンは不意に違和感を覚え、自身のグリモワールを取り出す。
同時にセリオスのグリモワールの通信音が鳴り響いた。

セリオス
「――サツキ先生?」

サツキ
「セリオスくん! レオンくんに変な反応があるの!
 結界に入る前に、一度調べてもらって――」

サツキが捲し立てる中、突如レオンのグリモワールから瘴気の奔流があふれ出す。

レオン
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

セリオス
「くっ――残念ながら、手遅れのようです」


瘴気の奔流の中、レオンのグリモワールが数度激しい輝きを放つと、
何かが破壊されたような轟音が響き渡る。
瘴気の奔流に弾き飛ばされたレオンが体勢を立て直す。
次の瞬間、上空に現れた異質なものに目を奪われた。

レオン
「……ってて。
 うぉぉ、なんだありゃ!!!」

イナリ
「巨大な……樹?」

ムジナ
「あれが……魔法樹……」

マヤ
「魔法樹って、わたしたちの世界にあるマナを発生させる樹よね。
 こっちの世界にもあったの!?」

ムジナ
「ええ、遥か昔には存在していたのですが、
 ある時、ヒトに害をなす瘴気を生み出すようになってしまい……、
 それを見かねた人物-アヴェノセイメイが自身ごと封印した、
 と文献にはありました」

カイル
「なるほど、トーキョーがマナの薄い世界だったのはそれが原因だったのですね」

タイガ
「感心しとる場合ちゃうやろ! どー見ても、封印解けて瘴気出とるやないか!
 さっきのレオンのグリモワールの仕業かいな!?」

サツキ
「レオンくんのグリモワールが操られて、瘴気と共鳴したことで
 結界が内側から崩壊させられてしまったんだわ」

ユウ
「でも、前にレオンさんのグリモワールを調べた時は、
 ちょっと調子悪いだけで特に変なことはなかったんじゃ?」

セリオス
「レオンのグリモワールに何か仕込んだのは、僕のエボルグリムだ。
 狡猾なヤツめ、表面化しないよう巧妙に隠していたのか」

シャロン
「おそらくヤンヤンさんたちから奪った時に、グリモワールを解析したんですわね」
「そして今、グリモワールを操った人物こそが『あの御方』……」

レオン
「セリオスのときと今回といい、俺とライバルのバトルを二度も利用したってのか!
 バカにしやがって!」

ムジナ
「それだけではありません。 おそらく、ですが……
 今までエボルグリムがクサビを守ったのは、全てカモフラージュだったのでは」

サンダース
「カモフラージュ、だと?」

ムジナ
「クサビは設置された段階で、その役目を終えていた。
 むしろその破壊こそが鍵だったんでしょう」

アイコ
「え? ちょっと待って?
 わけわかんないんだけど!」

イナリ
「私もあの樹から何かを感じる……。 誰かの想い……。
 クサビは世界の有り様を変えようとするもの」
「瘴気が世界にあってもいいように……生ける者が瘴気を受け入れるように……。
 破壊されると、その術式が発動するんだって」

リック
「それがエボルグリムを裏で操っていた者、『あの御方』とやらの目的ということか」
「くそっ、まんまと躍らされたな」

ルキア
「あの御方……え、あれ?
 レオンのエボルグリムが言ってたのは……」

ムジナ
「はい、そうなるでしょう。
 あの魔法樹から感じられる気配は僕とイナリの先祖……」
「瘴気を利用した独自の術『陰陽』の始祖にして、
 この世界の魔法樹を封印した人物、アヴェノセイメイです」

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