5.第2話 結
【セイメイ】
「あなたたちが使っている『リコード』、
その母体となる『マキシブコード』は
あらゆる事象を記憶している存在」
「それを調べようと思います」
【ルキア】
「えぇっ!
それってすごい量なんじゃ?」
【セイメイ】
「えぇ、全ての世界のあらゆる事象が
記録の対象ですからね」
【ハルト】
「全世界、全事象だと!
ほほぅ、これは実に興味深い!」
【カイル】
「僕たちも、お手伝いしましょうか?」
【セイメイ】
「いえ、これはこの世界では
わらわにしかできぬこと。
気持ちだけいただきましょう」
「とはいえ、座学すらマジックアカデミーの
先生方にお手伝いいただいているのが現状。
なお手を減らしては立ち行かなくなります」
「そこで……
ムジナ、よいですか?」
【ムジナ】
「はい、なんでしょうか」
【セイメイ】
「あなたの魔法的素養はとても優れています。
加えてその比類なき探究心は、
目を見張るものがあります」
「あなたは年長でもありますし、どうでしょう、
皆を教える側にまわってもらえませんか?」
【ムジナ】
「僕が……教師ですか?」
【イナリ】
(に、兄様が先生……!?
い、いいかも……!)
「はい!はい!
セイメイ様!
わたし、すっごく賛成です!!」
【ムジナ】
「こら、イナリ。
突然なにを……」
【セイメイ】
「良い提案だと思うのですが……。
自信を持ってよいのですよ」
「以前の瘴気に侵されたあなたは、
闇に堕ちたわらわが与えた陰陽の書も、
すぐに使いこなしていたではありませんか」
【ムジナ】
「それについては、
素直に喜んでいいのかどうか……」
【マラリヤ】
「ちょいと兄さん、観念したほうがいいわ。
あの手合いは何を言っても無駄よ」
【ムジナ】
「むぅ……」
【セイメイ】
「どうでしょう?」
【ムジナ】
「……僕で力になれるのなら」
【セイメイ】
「まぁ、ありがとうございます。
いい子ですね」
【グリム・ルキア】
「お袋も面白いこと考えるもんだ。
よろしく頼むぜ? 先生」
【ムジナ】
「あぁ、こちらこそ」
(教室)
【ルキア】
「………………」
【イナリ】
「あれ、ルキア?
どうしたの?」
【ルキア】
「んー、ムジナが先生になったでしょ」
【イナリ】
「ふっふーん、
兄様はすごいでしょ!」
【ルキア】
「うん、すごいよ。
元は魔法使えなかったのにね」
「グリム・ルキアやグリム・セリオスも
どんどん上達してるのを見ると、
わたしはどうなんだろうなぁって」
【イナリ】
「…………」
「あーあ、魔法使い様はモチベダウン中ですか。
悪いけど、わたしはやる気マンマンだよ!」
「なんたって、ちょっと前までは、
マンガやラノベの中の話だと思ってたことが、
現実になってるんだからね」
「ルキアなんかすぐに追い越して
すごい魔法使いになっちゃうかもね」
【ルキア】
「おーう、言ったな!
わたしだって目指すは大賢者なんだから!
【イナリ】
「じゃあ競争だよ、センパイ」
【ルキア】
「うん。
……ありがとね、イナリ」
「あなたたちが使っている『リコード』、
その母体となる『マキシブコード』は
あらゆる事象を記憶している存在」
「それを調べようと思います」
【ルキア】
「えぇっ!
それってすごい量なんじゃ?」
【セイメイ】
「えぇ、全ての世界のあらゆる事象が
記録の対象ですからね」
【ハルト】
「全世界、全事象だと!
ほほぅ、これは実に興味深い!」
【カイル】
「僕たちも、お手伝いしましょうか?」
【セイメイ】
「いえ、これはこの世界では
わらわにしかできぬこと。
気持ちだけいただきましょう」
「とはいえ、座学すらマジックアカデミーの
先生方にお手伝いいただいているのが現状。
なお手を減らしては立ち行かなくなります」
「そこで……
ムジナ、よいですか?」
【ムジナ】
「はい、なんでしょうか」
【セイメイ】
「あなたの魔法的素養はとても優れています。
加えてその比類なき探究心は、
目を見張るものがあります」
「あなたは年長でもありますし、どうでしょう、
皆を教える側にまわってもらえませんか?」
【ムジナ】
「僕が……教師ですか?」
【イナリ】
(に、兄様が先生……!?
い、いいかも……!)
「はい!はい!
セイメイ様!
わたし、すっごく賛成です!!」
【ムジナ】
「こら、イナリ。
突然なにを……」
【セイメイ】
「良い提案だと思うのですが……。
自信を持ってよいのですよ」
「以前の瘴気に侵されたあなたは、
闇に堕ちたわらわが与えた陰陽の書も、
すぐに使いこなしていたではありませんか」
【ムジナ】
「それについては、
素直に喜んでいいのかどうか……」
【マラリヤ】
「ちょいと兄さん、観念したほうがいいわ。
あの手合いは何を言っても無駄よ」
【ムジナ】
「むぅ……」
【セイメイ】
「どうでしょう?」
【ムジナ】
「……僕で力になれるのなら」
【セイメイ】
「まぁ、ありがとうございます。
いい子ですね」
【グリム・ルキア】
「お袋も面白いこと考えるもんだ。
よろしく頼むぜ? 先生」
【ムジナ】
「あぁ、こちらこそ」
(教室)
【ルキア】
「………………」
【イナリ】
「あれ、ルキア?
どうしたの?」
【ルキア】
「んー、ムジナが先生になったでしょ」
【イナリ】
「ふっふーん、
兄様はすごいでしょ!」
【ルキア】
「うん、すごいよ。
元は魔法使えなかったのにね」
「グリム・ルキアやグリム・セリオスも
どんどん上達してるのを見ると、
わたしはどうなんだろうなぁって」
【イナリ】
「…………」
「あーあ、魔法使い様はモチベダウン中ですか。
悪いけど、わたしはやる気マンマンだよ!」
「なんたって、ちょっと前までは、
マンガやラノベの中の話だと思ってたことが、
現実になってるんだからね」
「ルキアなんかすぐに追い越して
すごい魔法使いになっちゃうかもね」
【ルキア】
「おーう、言ったな!
わたしだって目指すは大賢者なんだから!
【イナリ】
「じゃあ競争だよ、センパイ」
【ルキア】
「うん。
……ありがとね、イナリ」