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グリム・リエル2回目A

グリム・シャロンを退けた後のヨコハマーにて、リックたちは彼らエボルグリムについて頭を捻っていた。

リック
「人為的に進化させられたグリム……エボルグリムか。
 しかし陰陽の力が関係しているというなら、何か対策はないのか?」

ムジナ
「あれから少し陰陽について研究を続けていました。
 今回のようなことがないとも限りませんでしたから」

メディア
「それじゃあ、もしかして……!」

イナリ
「兄様、あれはまだ完成してないって……」

ムジナ
「いや、大丈夫だよイナリ」
「これは呪符と呼ばれるマジックアイテム。
 瘴気をマナに変換する効力を持ちます」

リエル
「エボルグリムたちが使ってくる攻撃と似た機能を持っているということですか?」

ムジナ
「はい。しかし実用に耐えるのはまだこの一枚のみ。
 そして、長時間は使えないでしょう」

シャロン
「なら、それはわたくしがいただきますわ」

リエル
「シャロンさん……!そのマジックアイテム、危険なのでは……」

シャロン
「大丈夫ですわ。
 わたくしの偽物を押さえるには、グリモワールのマナだけでは少々心もとないと考えていたところでしたの」

リック
「確かに大型に変化したエボルグリムの攻撃能力は高くないように見えた」

マヤ
「シャロンさんのエボルグリムが攻撃、リエルさんのエボルグリムが防御……
 そんな風に役割分担しているのかも」

リエル
「ですけど、シャロンさんひとりでは危険です!
 イナリさんたちの警護だって……」

メディア
「イナリちゃんたちは私が守るから安心して!」

シャロン
「そう思うのでしたら、早くグリムを倒してわたくしを助けに来てくださいな。
 では、まいりましょうか」


シャロンたちが瘴気を追いクサビ前へと向かっているその頃、クサビ前ではグリム・シャロンがクサビが生み出した瘴気を満足そうに眺めていた。


グリム・シャロン
「ふむふむ、いい感じですわねぇ……
 なんでしょう、こうみなぎってくるような……」

グリム・リエル
「知性を感じられない感想ですね」

グリム・シャロン
「とことん主人を敬う姿勢がないメイドですわねっ!?」

グリム・リエル
「敬ってもマスターが調子づくだけで、
 メリットが皆無ですので」

グリム・シャロン
「あーなーたーはーーーーーっ!!」

グリム・リエル
「ストップです。お客様のようですよ」

グリム・シャロン
「お客様? もしや――」

自身らに向けて放たれた魔法を認めて、二人のエボルグリムは軽やかに左右に飛び退る。
誰もいなくなったその場所へ魔法は着弾し、弾けた。

シャロン
「わたくしの株が下がるような行動は謹んでいただけますか?」

グリム・シャロン
「ふん、口だけは達者なんですのね。
 先程は一杯食わされましたが、今度こそ叩き潰して差し上げますわっ!
「おーっほっほ!!」

シャロン
「その挑戦、受けて立ちましょう。
 みなさん、頼みましたわよ!」

リック
「任された!
 俺たちは自分の仕事を果たす!」

グリム・リエル
「……そういう作戦ですか。
 ならばあなたたちを早くすり潰してしまわなくては」

リエル
「……あなたと私は、同じような気持ちを抱いているのかもしれません。
 だからこそ……絶対に負けられないんです!」


グリム・リエル
「私とマスターの関係をあなたのような俗物に例えられるとは心外です。
 それは侮辱といえましょう……!」

能面のようなグリム・リエルが発した感情の乗らない声にわずかながら不愉快さがにじむ。
静かに瘴気を纏ったグリム・リエルはその姿を巨大なドーベルマンへと変えてリックたちと対峙した。

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