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グリム・ヤンヤンラスク1回目A

とあるシューキュウの街の路地。
そこには息を整えているヤンヤンとラスクの姿があった。

ヤンヤン
「はぁはぁ……ど、どうなってるアルか!
 シューキュウに入った途端、警察に追われるなんて聞いてないアル!」

ラスク
「僕たち、なにもしてないよね?
 追われる理由なんてないよ!」

マヤ
「ここにいたのね、ふたりとも。
 やっと見つけた!」

ヤンヤン
「マヤ!?
 もしやお前もわたしたちを捕まえに来たアルか!」

マヤ
「もう、違うわよ。
 わたしたちはふたりを助けに来たの」

ヴァニィ
「わたくしが集めた情報によりますと……、
 まずはこちらの号外をご覧ください!」

ラスク
「どれどれ……あれ?
 なんかこのふたり、僕たちに似てる?
 というか、これ僕じゃないか!?」

ヤンヤン
「ちょっ、こっちはわたしアル!
 なにアルか、これー!?」

ヴァニィ
「どうやら、この怪盗Xという二人組が、最近この界隈を騒がしているようです!」

ヤンヤン
「違うアル! 濡れ衣アルよ!」

ラスク
「もしかして、僕たちが追いかけられたのってこれのせい!?」

マヤ
「ええ、たぶんそうだと思う。
 正確にはふたりによく似た誰か、ということになるのかしら」

ヤンヤン
「エボルグリムアルか!
 よくもわたしたちに罪をなすりつけたアルね!」

ラスク
「こんなの許せない。
 僕たちで捕まえよう!」

マヤ
「でも、捕まえるってどうやって?
 相手は神出鬼没の怪盗って話らしいわよ」

ヤンヤン
「怪盗っていうくらいだから予告状とかないアル?」

ヴァニィ
「こんなこともあろうかと!
 このわたくしが、なんと怪盗Xからの予告状を入手いたしました!」

ヤンヤン
「どこから手に入れたかは聞かないアル。
 ……この美術館に行けばいいアルね」

ラスク
「行こう、ヤンヤン!
 怪盗は僕たちで絶対に捕まえるんだ!」

マヤ
「あぁ、ふたりとも待って! もうっ!
 ヴァニィさん、追いかけましょう」

ヴァニィ
「承知いたしました!
 わたくしも密着取材いたします!」

ヤンヤンたち一行は予告状にあった場所に身を潜め、
怪盗Xを名乗る自分たちのエボルグリムの出現を待っていた。

ラスク
「ここで待っていればグリムたちが現れるんだね」

ヤンヤン
「こういうのは力技でなんとかなるアル。
 ヤツラが現れたらとっ捕まえるアルよ!」

マヤ
「そんな方法でいいの!?
 もう少し考えたほうが……」

ヤンヤン
「静かにするアル。
 誰かが来たみたいアルよ……」

グリム・ヤンヤン
「んふふっ、いいネ。
 貴重な品物ばかりアルよ」

グリム・ラスク
「いいね、最高じゃねぇか。
 誰も持ってねぇ一品ばかりだぜ」

ヴァニィ
(ここでエボルグリムたちの登場!
 マジックアカデミーの生徒はどう動く!)

マヤ
(ひそひそ解説してる場合じゃないでしょ!)

ヤンヤン
「そこまでアル!
 美術品には指一本触れさせないアルよ!」

グリム・ヤンヤン
「あらあら、オリジナルの登場アルか。
 意外と遅かったアルな」

ラスク
「まるで僕たちが来ることを、知ってたみたいな言い方だね」

グリム・ヤンヤン
「この顔で騒ぎを起こせば、本人が気づかないわけないアルからな」

ヤンヤン
「うっ……そ、それは……」

ヴァニィ
「おおっと、ヤンヤンさん謎の口ごもり!
 まさか気付いていなかったなんて口が裂けても言えないかー!」

ヤンヤン
「なに全部バラしてるアルか!
 ええい、とにかくお前たちの悪事はここまでアル!」

グリム・ヤンヤン
「悪事? なに言ってるアルか?
 ワタシは自分のものを取りに来ただけアル」

グリム・ラスク
「そういうこった。
 お前らに邪魔される筋合いはねぇんだ」

ヤンヤン
「どういうことアル。
 ここにお前たちの物なんてひとつもないアルよ」

グリム・ラスク
「ばっかじゃねぇの!
 この世界でオレが持ってねぇもんはオレのもんなんだ」

ラスク
「は? 何言ってんの?」

グリム・ラスク
「オレが持ってないものを奪って手に入れる。
 それがオレのコレクションの集め方だ!」

ラスク
「な、なんてやつ!
 そんな理屈が通るわけないだろ!」

グリム・ヤンヤン
「通る通らないじゃないアル。
 それを通すのがワタシたちの流儀アルよ」

ヤンヤン
「イヤな金持ちの考え方アル!」

ラスク
「ヤンヤンはお金、僕はコレクション……。
 好きなものは同じっぽいけど、考え方が根本的に違うみたいだね」

マヤ
「その結果が泥棒だなんて、とんでもないわ!」

ヴァニィ
「悪いお金持ちと路地裏のワルの強欲コンビ!
 これは手強そうな相手だーーー!!」

グリム・ヤンヤン
「ぐだぐだうるさい連中ネ。 
 お宝ついでに返り討ちにしてやろうと思てたけど、
 あんまり得にならなさそうネ」
「そうだ、その魔法を使う端末もワタシが奪ってあげるアル。
 手を貸すアルよ、ラスク!」

グリム・ラスク
「おもしれぇ、いいぜ!」

瘴気に包まれ、グリム・ヤンヤンとグリム・ラスクは巨大なグリムへとその身を変えた。
豪壮なパンダの左手と化しているカマキリの鎌が怪しくうごめく。

グリム・ラスク
「お前らの大事なもん、全部奪い取ってやるぜ!」

グリム・ヤンヤン
「搾り取るアルよ~♪」

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