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グリム・タイガリック1回目A

もたらされたクサビの情報を追って、アイコたちはカンサイの街中を調査していた。

アイコ
「天下の台所って言うだけあってうまいもんばっかやなぁ。
 このたこ焼きなんて、もー最高やー」

ルキア
「ホンマやね。
 ついつい食べすぎて、お腹パンパンになってまうわ」

タイガ
「お前らええ加減にせえよ!
 何をけったいな話し方しとんねん!」

リック
「タイガの喋り方となにも変わらないが」

タイガ
「真似するんやったら、ちゃんと真似せんかい!」
「こっちはクサビが見つからんでただでさえ、イライラしとんのに」

リック
「この近くで反応があると聞いたが。
 まったく見当たらないな」

アイコ
「だから、こうやって街の中を歩いて探してるんじゃん」

タイガ
「探しとるようには見えへんけどな。
 こんなんでホンマに見つけ――」

地響きを立てて揺れる地面に、暁の賢者たちは慌てて周りを見渡す。

リック
「な、なんだ、この揺れは!?
 それにこの気配は!」

唐突に周囲を濃い瘴気が漂い始め、先ほどまでは確かに何も無かった空間にクサビが出現した。

タイガ
「どないなっとんねん!
 今まであないなところにクサビなんかなかったで!」

困惑するタイガたちの耳にアカデミーと繋がっているグリモワールからガルーダの声が響く。

ガルーダ
「おい、なにがあった。
 お前たちの周辺に今までにない力の反応を感知したぞ!」

リック
「それが急にクサビが出現しました。
 まったく見えていなかったのに……」

ガルーダ
「消したものを見せたということは、お前たちの存在に気付いている可能性が高い」

タイガ
「罠かもしれんっちゅうことですか。
 せやけど、それがなんやって話や。
 どうせ罠でも行かなあかんからな」

ガルーダ
「ふっ、そうだったな。
 俺がお前たちにできることは少ない。
 だが、あえて言わせてもらおう!」

ガルーダ
「お前たちは俺の生徒だ。
 簡単に倒れるようなことは決してない。
 罠など、全力でぶち抜いてやれ!」

リック
「任せてください。
 必ず、相手を仕留めてきます!」

ガルーダ
「頼んだぞ!」

ガルーダとの通信を終え、リックたちは細やかな砂礫の舞うクサビの元へと歩を進めていた。

タイガ
「しっかし、改めて見るとえらいデカイな。
 どうせ誰かが守っとるんやろ、とっととぶっ飛ばして、アレもぶち壊すで」

グリム・タイガ
「品がないな。
 こんな野蛮人が僕のオリジナルなんてまったく嘆かわしい」

タイガ
「お前か、ここ守っと――って、俺かい!
 なんや、そのけったくそ悪い喋り方は」

グリム・タイガ
「ふっ、キミと僕は頭の作りが違うんだ。
 一緒にしないでくれ」

タイガ
「なんやと、こら!
 そこで待っとけや、今すぐぶっ飛ばし……」

グリム・タイガに近づこうとしたタイガたちは自らの身体に異変を覚える。

タイガ
「ぐっ……
 な、なんや、身体が重い……」


ルキア
「わ、わたしもなんか変だよ……
 どうなってるの……」

グリム・リック
「はっ、やっと効きやがったか。
 いつまで待たせんだよ、ダボが!」

リック
「くっ、もうひとりいたのか……!
 これはお前がやったのか」

グリム・リック
「正解だぜ、オリジナル。
 オレ様特製の痺れ薬の味はどうだぁ!」

リック
「痺れ薬だと!?
 卑怯な、正々堂々と戦えないのか!」

グリム・リック
「正々堂々とか、反吐が出るぜ!
 戦いはな、勝ちゃいいんだよ、勝ちゃ!
 あはははっ!」

リック
「なんて非道な。
 勝つために手段を選ばないとは……」

アイコ
「とにかく、毒を治さないと!
 わたし、ちょっとだけ治癒魔法使えるから、みんな早く!」

グリム・リック
「んなことさせるわけねぇだろぉ!
 今からボコボコにしてやんだからよォ!」

タイガ
「あれがお前の相方か。
 えらい正反対のやつと組んどるな」

グリム・タイガ
「あの方の命令でなければ、あんなクズと僕が組むわけがない」

グリム・リック
「あ? チョーシ乗んなよ、白メガネ。
 こいつらと一緒にテメェも始末されてぇのか!」

アイコ
「うわっ、仲悪っ!?」

タイガ
「こっちにとっては好都合や。
 完全に身体が動かんようなる前に終わらせるで!」

グリム・リック
「チッ、テメェはあとだ白メガネ。
 こいつら先にぶちのめしてやんぞォ!」

グリム・タイガ
「勝敗は決しているが、僕が自らこの手で終わらせてやろう。
 行くぞ」

グリム・リック
「足引っ張んじゃねぇぞ!」

グリム・タイガ
「君こそな」

悪態を付き合うグリム・リックとグリム・タイガは瘴気をまとい、狼と虎の双頭を持つ巨大なグリムへとその身を変えた。

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