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エピローグ
イナリ
「むぎゅう……」
本来の善の心に戻り、再びこの世界に顕現したアヴェノセイメイ。
先ほどから彼女に抱擁され続けていたイナリの小さなうめき声が響く。
イナリ
「あの、セイメイ様、そろそろ……」
セイメイ
「ふふ、良いではありませんか。
可愛い子孫を抱きしめるに勝る喜びなど無いのですよ」
グリム・レオン
「おい、セイメイ。 いい加減にしとけよ」
セイメイ
「あら、ごめんなさい」
グリム・レオンの制止に、アヴェノセイメイはようやくイナリを開放する。
セイメイ
「あなたもわが子には違いありませんものね。
さ、いらっしゃい」
グリム・レオン
「ちげぇよ。
オレらやオリジナルどもを呼びつけといて、何かあんならさっさと始めろってんだ」
セイメイ
「あらあら、そうでした」
その様子を見ていたルキアがムジナに小声で問いかける。
ルキア
「セイメイってあんな感じなんだ……?」
ムジナ
「正直なところ、僕も少々戸惑っています……」
セイメイ
「こほん、それでは……」
「あなたたちの力でこの世界は救われ、
わらわはもう一度、愛するこの世界に生まれることができました」
「色々と迷惑をかけましたね。
本当に感謝の念に耐えません。」
セリオス
「礼には及びません。
それが僕たちの任務です」
レオン
「まー確かにすげー大変だったけどな!」
セリオス
「レオン!」
セイメイ
「世界は再びマナで満ち、魔法が使えるようになりました」
「しかし、わらわが魔法樹を封じて以来、
人々は魔法も陰陽も無くこの世界を育んできました」
「それは、とても永き時。
もはや、それがこの世界の自然の有り様です」
「ゆえに、今ではむしろそれらが心無きことに使われぬよう、
我らはその守人となるべきと考えます」
グリム・レオン
「我らってのは……?」
セイメイ
「我が子孫のムジナ、イナリ……そして、あなたたちですよ」
笑顔で問いに答えるアヴェノセイメイに、グリム・レオンは半ば呆れ顔で返す。
グリム・レオン
「ハッ……クサビの次は世界の守人ねぇ」
「ついこないだまで瘴気バラ撒いてたようなオレらにそんなんつとまんのかよ?」
セイメイ
「少し話をしましょう。
永き封印の中で、わらわが瘴気に堕ちたとき……」
「全て染まり切る前に、我が子らにその善の意思を分割したのです」
シャロン
「エボルグリムの感情の根本は、その善の意思……ということですの?」
セイメイ
「その通りです。
わらわの意思は我が子らの人格を形作るきっかけとなりました」
「しかし、瘴気の身体では確かな善とはならなかった」
ムジナ
「エボルグリムの善悪にも個人差がかなりあったのは、それが原因でした。
戦ったみなさんならわかると思います」
リエル
「だから、エボルグリムのみなさんは……ああして苦しんでいたんですね」
イナリ
「その中でも、セイメイ様の意思が強く出ていたのが
レオンのエボルグリムだったんだって」
レオン
「なるほどな。 つまりこいつはいいヤツってことだな!」
グリム・レオン
「……知ったことかよ」
セイメイ
「もちろん他のみなも、わらわの大事な善き子らに異なりませんよ……
と、少し話が逸れてしまいましたね」
「この子らはマナを使った術はまだ不慣れ。
そこで、若き魔法使いのあなたたちにご助力いただきたいのです」
セリオス
「個人的には構いませんが、僕らはアカデミーの任で動いて……」
セリオスの懸念をさえぎるように、突然グリモワールへ連絡が入る。
ヴァルアドス校長
「結構!
魔法の先輩として、彼らを導きそなたらも共に学ぶが良い!」
セイメイ
「と、実はすでにヴァルアドス殿にも許可はいただいております」
シャロン
「よ、用意周到ですわね……。
校長先生がそうおっしゃるならば、わたくしたちに断る理由はありませんわ」
セイメイ
「感謝します。 よろしくお願いしますね」
ルキア
「みんなで魔法の勉強……それってなんかアカデミーみたいだね!」
イナリ
「ふふ、魔法学校かぁ……」
レオン
「へっ、面白いことになってきたな」
レオンはこれから共に魔法を学んでいく一同を見渡した。
レオン
「ライバル! 俺たちについてこれるか?」
エボルグリムたちの意思を代表するように、グリム・レオンがその問いかけに応える。
グリム・レオン
「ハッ……せいぜい追い越されないよう気をつけろよ!」
「むぎゅう……」
本来の善の心に戻り、再びこの世界に顕現したアヴェノセイメイ。
先ほどから彼女に抱擁され続けていたイナリの小さなうめき声が響く。
イナリ
「あの、セイメイ様、そろそろ……」
セイメイ
「ふふ、良いではありませんか。
可愛い子孫を抱きしめるに勝る喜びなど無いのですよ」
グリム・レオン
「おい、セイメイ。 いい加減にしとけよ」
セイメイ
「あら、ごめんなさい」
グリム・レオンの制止に、アヴェノセイメイはようやくイナリを開放する。
セイメイ
「あなたもわが子には違いありませんものね。
さ、いらっしゃい」
グリム・レオン
「ちげぇよ。
オレらやオリジナルどもを呼びつけといて、何かあんならさっさと始めろってんだ」
セイメイ
「あらあら、そうでした」
その様子を見ていたルキアがムジナに小声で問いかける。
ルキア
「セイメイってあんな感じなんだ……?」
ムジナ
「正直なところ、僕も少々戸惑っています……」
セイメイ
「こほん、それでは……」
「あなたたちの力でこの世界は救われ、
わらわはもう一度、愛するこの世界に生まれることができました」
「色々と迷惑をかけましたね。
本当に感謝の念に耐えません。」
セリオス
「礼には及びません。
それが僕たちの任務です」
レオン
「まー確かにすげー大変だったけどな!」
セリオス
「レオン!」
セイメイ
「世界は再びマナで満ち、魔法が使えるようになりました」
「しかし、わらわが魔法樹を封じて以来、
人々は魔法も陰陽も無くこの世界を育んできました」
「それは、とても永き時。
もはや、それがこの世界の自然の有り様です」
「ゆえに、今ではむしろそれらが心無きことに使われぬよう、
我らはその守人となるべきと考えます」
グリム・レオン
「我らってのは……?」
セイメイ
「我が子孫のムジナ、イナリ……そして、あなたたちですよ」
笑顔で問いに答えるアヴェノセイメイに、グリム・レオンは半ば呆れ顔で返す。
グリム・レオン
「ハッ……クサビの次は世界の守人ねぇ」
「ついこないだまで瘴気バラ撒いてたようなオレらにそんなんつとまんのかよ?」
セイメイ
「少し話をしましょう。
永き封印の中で、わらわが瘴気に堕ちたとき……」
「全て染まり切る前に、我が子らにその善の意思を分割したのです」
シャロン
「エボルグリムの感情の根本は、その善の意思……ということですの?」
セイメイ
「その通りです。
わらわの意思は我が子らの人格を形作るきっかけとなりました」
「しかし、瘴気の身体では確かな善とはならなかった」
ムジナ
「エボルグリムの善悪にも個人差がかなりあったのは、それが原因でした。
戦ったみなさんならわかると思います」
リエル
「だから、エボルグリムのみなさんは……ああして苦しんでいたんですね」
イナリ
「その中でも、セイメイ様の意思が強く出ていたのが
レオンのエボルグリムだったんだって」
レオン
「なるほどな。 つまりこいつはいいヤツってことだな!」
グリム・レオン
「……知ったことかよ」
セイメイ
「もちろん他のみなも、わらわの大事な善き子らに異なりませんよ……
と、少し話が逸れてしまいましたね」
「この子らはマナを使った術はまだ不慣れ。
そこで、若き魔法使いのあなたたちにご助力いただきたいのです」
セリオス
「個人的には構いませんが、僕らはアカデミーの任で動いて……」
セリオスの懸念をさえぎるように、突然グリモワールへ連絡が入る。
ヴァルアドス校長
「結構!
魔法の先輩として、彼らを導きそなたらも共に学ぶが良い!」
セイメイ
「と、実はすでにヴァルアドス殿にも許可はいただいております」
シャロン
「よ、用意周到ですわね……。
校長先生がそうおっしゃるならば、わたくしたちに断る理由はありませんわ」
セイメイ
「感謝します。 よろしくお願いしますね」
ルキア
「みんなで魔法の勉強……それってなんかアカデミーみたいだね!」
イナリ
「ふふ、魔法学校かぁ……」
レオン
「へっ、面白いことになってきたな」
レオンはこれから共に魔法を学んでいく一同を見渡した。
レオン
「ライバル! 俺たちについてこれるか?」
エボルグリムたちの意思を代表するように、グリム・レオンがその問いかけに応える。
グリム・レオン
「ハッ……せいぜい追い越されないよう気をつけろよ!」
END