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グリム・シャロン1回目B

グリム・シャロンの猛攻に圧倒されるシャロンたち。

シャロン
「みなさん、大丈夫ですの!?」

レオン
「な、なんとかな…………」

メディア
「きゅう~~~~」

リエル
「は、早く手当しませんと……」

シャロン
「万事休す……ですわね」

グリム・シャロンは巨大な蜂から人間態に姿を戻す。
もはや勝負は決したとみたか、暁の賢者たちとは正反対に余裕の表情を浮かべていた。

グリム・シャロン
「あは……あははは……あははははは!!
 こんなもの……こんなものですの!?」

グリム・シャロン
「こんな弱者のために、わたくしの……
 わたくしの従者はぁ!!」

高笑いから一転、苛立ちをぶつけるかのように攻撃を放つ。

レオン
「……ぐぁっっ!?」

メディア
「……きゃあ!?」

グリム・シャロン
「さあ、消えて償いなさい!」

とどめとばかりに、シャロンにも一撃を加える。

シャロン
「きゃああああ!?」

グリム・シャロン
「呆気ない……
 本当に、呆気ないですわ……」

リエル
「ごめん、なさい……」

シャロン
「リエル、さん……?」

リエル
「わたしが……わたしが全部悪いんです。
 あなたの大事な人を奪った原因は、わたしで……」

グリム・シャロン
「だ……黙りなさいッ!!」

リエル
「わたしはどうなっても構いません。
 だから……だから、みなさんのことは……っ!」

グリム・シャロン
「黙れと言っているでしょうッ!!??」

グリム・シャロンは、リエルの謝罪の言葉を遮らんと攻撃を放つ。
しかし、それの威力は動揺を表しているかのように弱々しいものだった。

リエル
「……ッ!?
 それでも……わたしはっ!」

グリム・シャロン
「あなたはどうだろうと変わりない……
 そう、そういうことでしたのね……」

シャロン
「様子がおかしい……?」

グリム・シャロン
「わたくしたちの感情も、関係も……全てオリジナルを模したもの。
 ……とすれば、この感情さえも本物ではない。
 そういうこと、ですの……?」

リエル
「あの……」

グリム・シャロン
「あなたの声が心地良く感じます……
 これも、わたくしでは……ない」

リエルはうつろな表情で語るグリム・シャロンに手を差し伸べようとするが、
魔法障壁のようなものに弾かれてしまう。

リエル
「きゃあ!?」

グリム・シャロン
「わたくしは、わたくしは……なに?
 わからない……わかりませんわ……」
「ははっ……あははっ……あはははははっ!!」

自嘲めいた高笑いを上げるグリム・シャロンを魔法とも瘴気ともつかないオーラが包む。
その異常とも呼べるほどの量にシャロンが声を上げる。

シャロン
「グリム化していない状態で、あの力……もしや暴走ですの!?」

リエル
「そ、その……しっかりしてください!」

グリム・シャロン
「……ふふ……ふふふ…………」

シャロン
「リエルさん、そこからすぐに離れなさい!
 なにが起こるかわかりません!」

リエル
「わ……わかりましたっ!」

グリム・シャロンのまとうオーラに呼応し、海上のクサビも鈍い輝きを増す。
が、その輝きと反比例するかのように、グリム・シャロンの動きは緩慢となり、
やがて立ったまま意識を失っているかのように動きを止めた。

グリム・シャロン
「……………………」

シャロン
「くっ、瘴気が溢れかえって……ですが好機ともとれます。
 今のうちに一度治療を」

リエル
「はいっ! すぐに!」

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