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グリム・シャロン2回目A

不可思議な空間。

グリム・レオン
「こいつは、嫌な空気が流れてきやがったな……」
「全部てめぇの目論見通りってことかよ、セイメイ」

グリム・レオンは同じ空間に存在する、実体すら曖昧な存在に呼びかけた。

???
「わらわはなにもしていません。
 あなたたちは自分の意思で動いていますよ」
「それは決して、わらわの意思ではありません」

グリム・レオン
「それなら、オレがどう動こうが、テメェには関係ないってことだよな?」

???
「好きにして構いませんよ。
 これで、あなたの願いもようやく叶うでしょう」


トーキョー、ナナイロブリッジ付近で、シャロンたちは
鈍く輝くクサビと動きを止めたグリム・シャロンを見守っていた。

シャロン
「もはや猶予はあまりなさそうですわね……」

リエル
「レオンさん、メディアさん、大丈夫ですか?」

レオン
「ああ、メディアのおかげでバッチリだぜ!」

メディア
「もう! リエルちゃんだって頑張ったんだからね」

リエル
「いいんですよ、メディアさん。
 わたしがメディアさんを治療して、メディアさんがレオンさんを治療したんですから」

メディア
「そうだけど……ねぇ?」

レオン
「あーっと……ありがとな、リエル」

リエル
「いえ、どういたしまして」

シャロン
「ではみなさん、そろそろ戦闘の準備を」

メディア
「はーい。
 それにしても、あのシャロンちゃんの悪いグリム、
 前にクサビが光ってから全然動かないねぇ」

リエル
「そうですね。 おかげで私たちは回復する時間が稼げましたが……」

レオン
「なら、今のうちにぶっ飛ばしちまえばいいんじゃねぇか?」

シャロン
「そんな簡単な話ではありませんわ。
 どうやら今のエボルグリムはクサビ、そして結界と密接に繋がっていますの」

リエル
「もし迂闊に攻撃して、結界のマナが暴走したら、街は一瞬で壊滅するそうです」

メディア
「えぇ!?」

レオン
「マジかよ!?」

シャロン
「わたくしたちができるのは、正攻法であのエボルグリムを打倒すること。
 わかりましたか?」

レオン
「オーケー、小細工は無しってことだな。
 じゃあ全力で行かせてもらうぜ!」

メディア
「ケガしちゃっても、わたしがすぐ治すから!」

シャロン
「心強いですわね、仲間というのは……。
 だからこそ、彼女の悲しみもわかります」

リエル
「はい……あの方の一番大切な友人を、わたしは……」

シャロン
「でも、そこにいるのでしょう?
 ちゃんと教えてあげませんと」

リエル
「……はいっ! ちゃんと伝えます!」

リエルは決意とともにグリモワールを握り締めると、
それに呼応するかのように、クサビの下のグリム・シャロンがゆっくりと動き出す。
そして巨大な蜂に姿を変え、周囲に咆哮を轟かせる。

グリム・シャロン
「Aaaaaaaaaaaaaaaah!!」

シャロン
「目覚めましたわね……
 なんとしても止めますわよッ!」

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