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グリム・メディア1回目B

メディア似の少女
「あらぁ……あなたたち、結構やるのねぇ。
 でも、全然足りないわぁ。うふふ♪」

少女が魔法の様なものを使った瞬間、戦った事実すら無かったかのように全ての傷が癒える。

カイル
「なっ……!?
 今まで与えたダメージが全て癒えた……強力な回復魔法です!」

メディア
「嘘!? 私より、ずっと凄い……じゃなくて! グリムが魔法!?」

アロエ
「グリムが魔法……しかも回復魔法を使うなんて、今までなかったよね」

メディア似の少女
「だめだめ、だめだめ、だぁめだめ! ぜぇんぜん感じないわぁ。
 もぅ……これならクサビのところで時間を潰してた方がマシね。
 帰るわ。 ちょっと遊びに来ただけだしぃ……」

ユリ
「わわっ、逃げちゃうよ!
 待ちなさい! やぁーーーーっ!!」

興ざめした様子で帰ろうとする少女に向けてユリが放った渾身の一撃は軽々と弾き返された。

カイル
「ユリさんの渾身の一撃をこんな簡単に止めるなんて!?」

ユリ
「きゅう~……」

アロエ
「ユリちゃん!?
 メディアちゃん、ユリちゃんが大変! お願い、治療してあげて!」

メディア
「う、うん! すぐに治すから!」

メディア似の少女
「うふふふふ。 ばいばぁい、クランケちゃんたち♪」

少女は手を振ると、光に包まれ忽然と姿を消した。

メディア
「え……? 私、消えちゃった?」

カイル
「大丈夫です。 メディアさんは消えてません!」

アロエ
「あはは…… でも、メディアちゃんに そっくりなあのグリム、どこに行っちゃったんだろう?
 クサビのところに帰るって言ってたよね? あの瘴気発生の原因を守ってるのかな?」

ユリ
「うー……だったらそのクサビってのを壊しにいけば、また戦えるんだよね!
 次は一撃でやっつけてやるんだから!」

アロエ
「でも、あの回復魔法をなんとかしないと、あたしたちの魔法だけじゃ倒せないんじゃ……」

カイル
「はい。どれだけ攻撃しても回復されてしまいます。
 ううむ……なにか方法があればいいんですが」




~不可思議な空間~
メディア似の少女が移動した先には、以前アラクラヤマに現れたレオン似の少年の他、数人の人影があった。


レオン似の少年
「ハッ! なんだ、次はお前のとこに来たのかよ」

メディア似の少女
「そうなのよぉ。 でも、あんまり刺激的じゃなかったわぁ……」

謎の少女
「あはははは! ならどうして倒さずにおめおめと逃げ帰って来たんですの?
 それでは自らの弱さを証明するようなもの!」

謎の少年
「排除こそが最も効率がいい手段であろう!
 まったく頭を使わんやつらばかりだな」

レオン似の少年
「あぁ!? てめぇ、俺とここでやろうってか!」

謎の少年
「わたしは無駄なことはしない。
 お前は犬のように次の相手が来るのを待っていろ」

レオン似の少年
「先にてめぇから消してやんよッ!」

謎の少年
「ふんっ……無意味なことを!」

言い争う二人がほぼ同時に発動した攻撃は相殺されず周囲に被害を撒き散らして収束した。

メディア似の少女
「ああああああああん! とっても刺激的ぃ♪」

レオン似の少年と謎の少年
「………………………………」

この状況に身悶えしながらメディア似の少女は回復術を発動する。

メディア似の少女
「ああ……満足したわぁ……それじゃ、また行ってくるわね♪」

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