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グリム・タイガリック2回目A

リックとタイガにそそのかされ罠を解除してしまったエボルグリムたちは、
有利な立ち位置から一転、不利な状況へと追い込まれていた。

タイガ
「はっ、ホンマに総崩れやな。
 グダグダやないか、お前ら」

グリム・タイガ
「僕が組み立てた作戦が、
 こんな野蛮で単純な手で崩されるなんて」

ルキア
「罠にかけようなんて卑怯なことするからだよ。
 普通に強いのにもったいないな」

アイコ
「相手を褒めてどうするの!
 あと普通って言うのよくないよ、普通って!」

リック
「やつらの動きはもう見切った。
 このまま押し切るぞ!」

グリム・リック
「見切った、だとぉ……?
 勝つってのか、オレ様によぉ……」

ルキア
「降参するなら今のうちだよ、とか言っちゃってもいいかな」

逆転劇に狼狽していたエボルグリムたちは、
ルキアの挑発によって逆に落ち着きを取り戻したのか、
静かに瘴気のオーラを立ち上らせた。

グリム・リック
「あー、許せねぇ……
 こんな勝ちのねぇクソッタレな戦いなんてよ!」

グリム・タイガ
「確かに許せないな。
 こんな手を使わざるを得ない状況に、この僕が追い込まれるなんて」

タイガ
「な、なんや!?
 あいつらの雰囲気が変わりよった!」

グリム・リック
「来いやぁ、白メガネ!
 もう小細工なんていらねぇよ!」

グリム・タイガ
「ああ、この方法しか残されていないか。
 ならば、甘んじて受けよう」

禍々しい瘴気と共に巨大な双頭のグリムへと姿を変えたグリム・リックの嘲笑が響く。

グリム・リック
「これで終わりダァ!
 オレ様がひき肉にしてやるゼェ!
 アハハヒャハハギャッ!」

アイコ
「よ、よくわかんないこと言ってるけど!?」

グリム・タイガ
「降参しろ、オリジナル。
 力量が測れないわけではないだろう。
 キミたちの勝ち目はもうない」

グリム・タイガ
「無駄な抵抗はキズを増やす。
 降参するのならば、痛みなく死ぬことを選ばせてやろう」

タイガ
「確かにそれは正論や。
 お前らは強いし、抵抗せんほうが痛い思いせんでええわ」

タイガ
「せやけどな、そない簡単に
 諦められるほど俺らは人間できてへんねん!」

リック
「タイガの言うとおりだ。
 例え、勝機の薄い戦いだろうと、この拳を握る力がある限り、俺は戦う!」

グリム・リック
「このダボがッ!
 勝利のない戦いに意味なんてねぇんだよォ!
 無意味無意味無意味無意味!」

グリム・タイガ
「本当に愚かな。
 全ては計算によって結果は導き出される。
 奇跡など起きはしない」

リック
「戦いは計算が全てではない。
 それをお前たちに見せてやる!」

タイガ
「ああ、やったろやないか。
 お前らに勝つんが奇跡っちゅーなら、俺たちが起こしたるわ!」

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